――昨年から定期的に楢葉町を訪れているそうですが、どのような町ですか?
勝俣:東日本大震災で警戒区域になり、町の人々が全国各地に避難しました。それに、多くの人が仮設住宅で過ごしたと聞いています。そういった状況から立ち上がった強い町だと感じています。
きっと心の中では辛い思いを抱えていると思う。でもそんな素振りを一切見せず、東京から来た僕たちを笑顔で迎えてくれます。路上プロレス開催においても、町民の方々から「一丸となって町を盛り上げよう!」という気持ちが伝わってきます。
To-y:僕たちは楢葉町の集会所に行くことが多いのですが、皆さん温かいご飯を用意してくださいます。「楢葉でプロレスを開催し町を盛り上げたい」と説明すると「試合を観に行くからね!」と声をかけてくださるんです。
試合当日、僕たちの名前入りのうちわを作って本当に観戦に来てくれたんです。そういった住民の方々の温かさを僕たちは身に沁みて感じました。
勝俣:2023年に「住みますレスラー」が始まった当初は、「町の人の優しさに触れられる」なんて考えていませんでした。でも何度も楢葉町に通い、この町の良さを知り、住民の皆さんの優しさに触れて「楢葉町を本当に盛り上げたい」という思いが心に湧き上がって来ました。
僕たちが見せられるのはプロレスです。何度倒れても立ち上がり、這い上がる姿に魅了されるのが“プロレス”。震災後、楢葉町が立ち上がったように、リング上でプロレスラーが何度も何度も立ち上がる姿は楢葉町の方々と共通しています。
ですから楢葉町の人たちにその姿を見てもらいたいし、プロレスを通して楢葉町の魅力を日本中に発信したいと思います。
To-y:最初、僕は海や澄んだ空気など自然に感動しました。でもそれを越えたのが楢葉の住民の方々の優しさですね。集会所を回ることで、皆さんの“優しさ”を知りました。
11月に路上プロレスを行った後、「この町の素晴らしさをもっと全国に届けて興味を持ってもらえたら…」という気持ちが強くなり、今年3月3日ならはスカイアリーナ大会を開催しました。
そこで「大会を成功させたい」という気持ちが大きくなりましたね。