――そういう鈍欲さは三冠王座を失って初めて気づいたのですか?
安齊:三冠王座を手にする前も「どんなチャンスでも逃さず狙っていく」って、ずっと言っていました。
でもベルトを持つ喜びや、持っているからこそ見える景色があって…それを知ったので、心から「ベルトを持ちたい」っていう思いがありますね。
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――ベルトがある時とない時というのは全く違いますか。
安齊:ベルトを持っている時は、当然、責任感もでますし、何も知らない人が見て「あの人はベルトを持っているからチャンピオンなんだ」と期待もハードルも上がります。
そういうのは怖くもあり、楽しくもありますね。ただ僕の場合、「期待以上のものを見せてやろう」って弾けます。
――3月30日大田区大会で中嶋勝彦選手を破り三冠王座を戴冠。その後、防衛戦を6回行いました。この期間は“レスラー安齊勇馬”にとってどんな5ヶ月間でしたか?
安齊: 3月30日までは、普通に頑張っていればなんら差し障りのない若手レスラーでした。
少しだけ期待を持たれながら、ただがむしゃらに、ひたむきに頑張っていれば、結果が伴わなくても許される若手。しかし3月30日を境に変わりました。
三冠王座を持つことは、「全日本プロレスという歴史あるプロレス団体を背負う」ということです。自分なりに責任を持って臨みました。
でも最初は全然ふさわしくなくて、「安齊がベルト持っているのか!」という批判の声もかなりあった。
だからチャンピオンカーニバルと防衛戦を通して批判の声を声援に変えてやろうと。それが目標の一つでした。