――取材のために海外も行きましたか?
増村:昔、弾丸ツアーがあり現地に到着したらすぐに外で写真撮影。そのまま会場入りして試合。空いている時間はほとんど撮影、ホテルの戻るのが深夜1〜3時とかありましたね。
当時は試合レポートも担当していたので、4〜5時間かけて作成。気がつくと朝5時の出発時間。「やべっ、シャワーだけ浴びよう」とか(笑)。
【マリーゴールド】ビクトリア弓月「“自分が輝ける場所はリング上しかない”と証明したい」
6月11日マリーゴールド後楽園大会、セミファイナルの試合後。「お前がまた強くなった時、リングで戦おう。頑張れ」とキャリア14年のSareeeがエールを送り、右手を差し出…
――寝てないじゃないですか(苦笑)。
増村:そうです(笑)。ときどき「スタッフになりたいです」と連絡があります。「ちょっとは選手と話せるかも」などの気持ちで入ると、仕事の量が多く驚く人がほとんど。だから、この業界は入れ替わりが激しいんですよ。
例えば、先日の両国国技館大会の試合中、僕はずっと4時間試合の撮影を行いました。興行の日は試合前の雑用などをこなし、終わってからも雑用。荷物の搬出作業を終えて帰宅するのは深夜なんてこともあります。
――リングサイドの増村さんはベストショットを撮るため、常に動いていたイメージがあります。
増村:選手も頑張っているから、良い絵を撮ってあげたいんですよ。「あの時の技の写真ないんだ」って思われたくない。コンマ1秒のズレで、良い写真と悪い写真に分かれてしまいます。プロレスは顔の表情で痛みや激しさが伝わります。だからタイミングを逃したくないんですよね。