――「試合前にレッドブルを飲む」選手はわりと多いですが、でも確かに気合い入りそうですね(笑)。では、まもなく2019年も終わるので今年を振り返って頂きたいと思います。
まず今年4月、DDTプロレスリング初となるニューヨーク大会のKO-D無差別級タイトルマッチ。チャンピオンの竹下幸之介選手に、遠藤選手と同じユニット「DAMNATION(ダムネーション)」のリーダー・カリスマ佐々木大輔選手が挑戦し王座を奪取しましたが、その試合後「いつでもどこでも挑戦権」を行使して、体力を使い果たした佐々木選手からベルトを奪取しましたね。
遠藤:あの試合、正直カリスマが勝つとは思っていなかったんです(笑)。最初は竹下が防衛した後に「いつでもどこでも挑戦権」を行使しようと考えていました。
試合終盤、カリスマが攻められていて「これは竹下が勝ったな」と思い、バックステージに挑戦権を取りに行っている時に、試合勝者であるカリスマのテーマ曲が流れてきて。
その時は一瞬戸惑いましたね(笑)。でも「ここで『いつでもどこでも挑戦権』を使わないと俺は一生変われない」と、そう自分に言い聞かせてリングに上がりました。
――それでニューヨークでKO-D無差別級王座を初戴冠されたわけですが、ただ7月の大田区総合体育館で竹下選手に敗れて、残念ながら王座から陥落しました。
遠藤:正直、自分で言うのはなんですけど、あの時、大田区総合体育館にいた観客のほとんどが僕を応援してくれていたと思います。
――確かに、あの日はホームゲームのように遠藤選手に多くの歓声が送られているのを感じました。
遠藤:今思い返しても、自分のペースで試合が進んでいたと思います。ただ、たくさんの声援を受けたのにベルトを獲られたのは、かなりトラウマになりました…。