【カヌー 古谷利彦】国民の皆さんの不安を少しでも無くし安全安心の中で大会を開催する。それが私たちの使命(前編)

――東京五輪パラリンピックが1年延期になり、フィールドキャスト(大会ボランティア)の方々の士気はいかがでしょうか。

古谷:1年延期になったことでフィールドキャストの皆さんも気持ちが下がってきます。それを盛り上げるため、フィールドキャストを対象にカヌー体験会を企画しました。

 また東京五輪パラリンピックに出場が内定している瀬立モニカ選手や松下桃太郎選手とウェビナー(※オンライン上で実施されるセミナー)を2回に分けて開催しました。選手と触れ合うことでフィールドキャストの士気も高まります。また定期的にニュースレターを発行しました。

 スタッフの協力もあり、カヌーは他の競技以上にフィールドキャストの方々との繋がりを大事にして、気持ちを盛り上げることが出来たと思います。

――それは素晴らしい取り組みですね。また1年延期で選手のモチベーションが心配かと思います。その辺りはどのようにお考えでしょうか?

古谷:それは専務理事としての仕事になります。日本カヌー連盟として、東京五輪パラリンピックに向けて選手の強化を中核に据えようと話し合いました。そこに出場する選手、競い合う選手一人一人を大切に支えていかなければいけない。それこそ、モチベーションから環境作り、そういったことに努めてきました。

――さきほどお話しいただいた、選手たちに「海の森水上競技場」や「スラロームセンター」を提供したというのは、その一環でしょうか。

古谷:そうです。東京五輪パラリンピックの会場で練習することにより、「ここで大会が開催される。自分も出場するぞ」という気持ちになってもらい、選手のモチベーションを上げる環境作りをしました。

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