――秋山選手がDDTに参戦して、まもなく1年が経とうとしています。参戦が決まった時、ディーノ選手はいかがでしたか?
ディーノ:私は昔から「そこに誰々がいるからDDTだ」「誰々が居なくなったからDDTじゃなくなる」とかではなく「そこにあるものがDDTだ」という認識の仕方なの。
具体的にいうと、飯伏が抜けた。でも飯伏が抜けた状態が「今のDDT」なんだ、というのが私の考え方よ。仮に私が抜けたとしてもDDTが無くなるとも思わないし。誰が抜けたとしても「DDTは、その場に居る人たちが作り出すもの」なのよ。
だから秋山選手が来たから「DDTじゃなくなる」と思わない。それも含めてDDTだと考えているわ。
昔から「DDTは漫画雑誌でありたい」と思っているの。例えばジャンプ、ジャンプらしくない連載があっても、「ジャンプ」になるでしょ?そういった感覚でDDTを捉えているわ。だから秋山選手の本道が来ても、DDTという雑誌というかエンタテイメントは変わりないわ。
ただ秋山選手からすれば、DDTという雑誌は私の色が強かったのでしょうね。長期連載だから、そう思っているだけだと思いますよ。もちろん最近の若い人たちがやっているプロレスもDDTの一部です。やっぱり長期連載していたら、そのイメージが付きますよね。
――3.28後楽園で秋山選手とリング上でマイクのやりとりがありディーノ選手が引き上げた際、いつも以上に観客の拍手が大きかったように感じます。この拍手の大きさが4.11後楽園のディーノ選手に向けて、観客の期待の現れだと思います。今回の樋口選手、前回の遠藤選手等、KO-D無差別級のタイトル戦は真正面からぶつかり合う戦いが続きましたよね。
ディーノ:私のスタイルは変化球。直球・直球ときて、ここで変化球。これが私の役目だと思って戦っている部分もあるわ。秋山選手は豪速球です。ただ、DDTが反撃の狼煙を上げるために今回のカードを組んだのかとも思っているの。ここから攻勢に転じるためにね。
どこのプロレス団体でも、直球は投げられるのよ。DDTが、ここで変化球を持ってきたのは、それなりの意味があるのではないかと思うけどね。