――4.7後楽園大会の試合を観て、松永選手の繰り出す一発一発の技に、すごく気持ちがこもっていると伝わりました。そして、その試合をしている時間をご自身の中で噛みしめながらプロレスをしていると感じました。
松永:いや、それはみんなそうだと思いますけどね。それもやっぱりプロレスというものに対する礼儀。観にきてくださるお客さんに対する礼儀だと思っています。
いろんなレスラーがいるから。例えば、リング上で格好をつける。これは悪い意味じゃなく、華やかなものを優先する人もいれば、そうでない人もいる。
俺はもう相手を倒したいという気持ちでしかプロレスできないので。華やかな人間でもないから。それが周りのレスラーとは違って見えたのかもしれないですね。
――そのKO-Dタッグ王座への挑戦試合は残念ながら負けてしまいましたが、試合後に皆さんに感謝を伝えながら、再戦をアピールされていました。
松永:もちろん。それはもう負けているので勝つまで闘いますよ。あの日、俺はエクスプロイダーを狙いましたけど、それを決めることができなかった。自分がそれを決めていたら勝てたはず。その悔しさがあるので、ほんとにもう1回ですね。ベルトを獲るまでやります。
――秋山選手に指名される前と、4.7後楽園で試合した後、松永選手の気持ちに何か変化はありましたか。
松永:「気持ちは変わらず同じ」だと言わなきゃいけないのかもしれないですけど、やっぱり同じだと言えないです。気持ちが引き締まったというか。指名してくれた手前、秋山さんの顔を潰すようなことは絶対にできないという気持ちが増しましたよね。もうそこが強いと思います。
――KO-Dタッグ王座挑戦試合を機に、対戦カードに松永選手の名前が増えています。ご自身の中で掲げている今後の目標はありますか。
松永:すごく簡単です。タッグベルトを獲ること。そりゃ、他のベルトだって欲しいですけど、前回KO-Dタッグ戦に負けているので、絶対俺はそれが欲しいです。
ただ、それで終わりじゃない。リング上ではベルトを獲り合って、昭和、平成、令和ってプロレスは変化してきたと思いますけど、正直なところ、それは一概に進化だと思ってないです。昭和、平成は観ていたけど、令和になってプロレスを観なくなった人もいると思います。
「昔は観ていたけど、最近のプロレスは…」と思っている人はこの世にいっぱいいるので、そういう人たちに振り向いてほしい。その人たちに「うわあ、プロレス観たい!」って言わせるのが俺の目標ですね。
松永智充(まつなが ともみつ)1980年11月13日生まれ、茨城県古河市出身。身長168㎝、体重95Kg。2006年3月4日プロレスラー養成所「SUPER CREW 」の2期生として新木場1stRING大会でデビュー。同年12月、団体の解散に伴ってフリーに転向。DDTレギュラー参戦を経て、2007年正式にDDTプロレス入団。同年4月KO-Dタッグ王座を戴冠し4か月間で8度の防衛歴をもつ。2024年4月7日後楽園大会では秋山準とタッグを組み、約10年ぶりに同王座に挑戦。レフェリーやトレーナーを務めるなど選手以外でも活動。柔道整復師の国家資格をもつ。
<インフォメーション>
6月5日(水)東京・新宿FACEにて「What are you doing 2024 TOUR in SHINJUKU」が開催されます。対戦カードは、KO-D無差別級選手権試合<王者>上野勇希 vs 髙木三四郎<挑戦者>やKO-D6人タッグ選手権試合<王者組>佐々木大輔&KANON&MJポー vs HARASHIMA&ヤス・ウラノ&彰人<挑戦者組>など、注目カードが盛りだくさん!松永選手の4.7後楽園でのKO-Dタッグ・リベンジ戦ともいえるタッグマッチ、遠藤哲哉&飯野雄 vs 秋山準&松永智充も見逃せません!
チケット等、詳細はDDTプロレスリング公式サイトをご覧ください。
松永智充 X(旧Twitter)
取材:大楽聡詞/文:黒澤浩美
写真提供/DDTプロレスリング