――現在はシングルプレイヤーとしてもファンを魅了していると思います。ところでイギリス遠征後、コロナ禍になり渡航が制限。次の海外遠征は約3年後の2023年1月ロサンゼルスでしたね。
MAO:あの時は、(勝俣)瞬馬(The37KAMIINA)と2人で渡米。突然なんの前触れもなくコロンと舞い込んできたんです。その時はアメリカの誰とも関わりがなかったし、どうやって行ったらいいかも分からなかった。
参戦したのはプレステージ・レスリング(Prestige Wrestling、略称:Prestige)、海外遠征中の東京女子プロレスの山下実優が暴れまくっているところですね。
この時はワンマッチのみ。ですから「なにがなんでも次に繋げよう」とアメリカデビューのような気持ちで挑みました。「無理してでもスワンダイブ式フェニックス・スプラッシュは絶対決めるんだ!」と強い気持ちで臨み敢行!それがSNSでバズって、アメリカで一つ名刺ができました。
「ここで何かを残す」と必死でしたね。4月のDDTハリウッド大会が決まっているけど、メンバーになれるか分からない状態でしたから。
そこで試合で披露した「スワンダイブ式フェニックス・スプラッシュ」で有名になれました。「MAOっていうヤベェ選手がいる」とお客さんだけじゃなく選手たちにも認知されたのが大きかったですね。
――2023年3月末〜4月に開催されたDDTハリウッド大会はタイミング的に良かったですね。
MAO:ロサンゼルスが1月、選手やファンの記憶が薄まっていない中でのハリウッド大会。みんなが僕のことを知っていてくれました。
――以前の取材時、2023年3月末〜4月のDDTハリウッド大会のバックステージでいろんな選手と交流できたと話してくれました。
MAO:元々お世話係をやっていた時、送迎していた選手との交流はもちろんですけど、そのバックステージのみんながバンド好き。スマホにバンドのステッカーを貼っていたり、バンドTシャツを着ていたりすると、「そのバンド好きなの?」と声をかけてくれて。バンド繋がりでもいろんな知り合いが出来ましたね。
――一挙両得ですね。
MAO:まさに一つで二つ美味しい(笑)。渡航する前の1月に「なんかライブねえかな」と思って調べてたら、いいライブがあったので、「俺は日本から来週試合しに行くプロレスラーなんだけど、 チケットってどうやって買うの?」ってインスタでメッセージを送ったんですよ。そしたら、偶然プロレス好きなバンドの人と繋がって仲良くなりましたね。
――人との繋がり方が上手いですね。
MAO:基本、控え室に1人でボケっとしていることはないです。誰かしらとずっと喋っています。絶対時間を無駄にしないですね。
<中編に続く>
プロフィール【MAO(まお)】
1997年1月28日生まれ、宮城県大崎市出身。身長180㎝、体重85kg。DDTプロレスリング所属。中学1年の時にYouTube「中学生プロレス技やってみた」の動画配信を始め、高木三四郎社長の目に留まったことがきっかけになり異例のプロテスト免除でDDT入団。2015年8月23日東京・両国国技館大会でデビュー。KO-Dタッグ王座、KO-D6人タッグ王座などタイトル歴があり、現在DDT UNIVERSAL王座(第12代)を保持。DDTの超人気ユニット「The37KAMIINA(サウナカミーナ)」の炭酸風呂担当。
<インフォメーション>
5.26後楽園ホール「KING OF DDT~20th Anniversary~」にて、KING OF DDTの準決勝と決勝戦が開催。MAOは準決勝で樋口和貞と対戦。その戦いを制し決勝戦に駒を進め、トーナメント初優勝することはできるのか!?チケット等、詳細はDDTプロレスリング公式サイトをご覧ください。
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取材:大楽聡詞/文:黒澤浩美
写真提供/DDTプロレスリング