3.30大田区大会で、史上最年少の24歳10か月で三冠ヘビー級王者初戴冠を果たした安齊勇馬。4.18後楽園から開幕する春の祭典「チャンピオン・カーニバル2024」、三冠チャンピオンとして挑む安齊に話をきいた。
――3月30日、三冠ヘビー級選手権で王者・中島勝彦選手を破り、デビュー1年半で最高峰王座を手にしました。
安齊:1回目が昨年6月に永田(裕志)さんに挑戦。今回が2回目でした。
――安齊選手の24歳10か月で三冠王座初戴冠は最年少記録です。宮原健斗選手の持つ、26歳11か月の記録を更新しました。偉業を成し遂げた心境はいかがでしょうか?
安齊:やっぱり試合結果だけ見たら、僕が勝ってベルトを全日本プロレスに取り戻したので、素直に嬉しいですし、ホッとした気持ちはあります。
その時点から僕はチャンピオンじゃないですか。やっぱりチャンピオンは、試合結果だけじゃなく試合内容も問われるっていうのを、その試合から実感しました。
僕はあの日、技を散々受けに受けて、その中で相手の一瞬の隙を突いて逆転したっていうのが、僕が現状できる試合だったのかなと思うんです。それでもやっぱりチャンピオン像として見たら、いろんな声があって、「三冠王者として認められない」っていう意見もあった。
でも素直に嬉しいっていう気持ちと、「ベルトを巻いたからホッとして一安心。おしまい、ちゃんちゃん」では決してないですね。
――「嬉しい」気持ちと、「頑張らなくてはならないというプレッシャー」の気持ちは、比率でいうとどれくらいですか?
安齊:比率にするのは難しいですね。「嬉しい」は、試合に勝った当日のサイン会の時まで。その日の夜にはもう違う想いが募っていましたね。
今までの自分がやってきたことを否定するわけじゃないんですけど、新しいスタートが切られたなっていう。ベルトを獲ったゴールと同時に、僕の三冠チャンピオンとしての始まりでもあるので。
「今日、試合勝ってよかったな、気持ちよく眠れるな」って、勝ったことに想いを巡らせる暇はなかったです。
――王者として2回、3回と防衛戦を重ねていくうちに、「自分が三冠チャンピオンなんだ」と実感してくるのでしょうか。
安齊:まだ初防衛戦を迎えてないので、なんとも言えないですね(苦笑)。
でも、鏡や写真で自分がベルト巻いている姿を客観的に見ても、自分がベルト持っているのが不思議っていうか。ほんとに似合ってないんですよ。どこか違和感があって…。
ベルトを腰に巻いたり肩にかけたりしても違和感なくなったら、真の三冠チャンピオンとして、全日本を引っ張る選手になれるのかなと思いましたね。