――通常の試合以上にタイトル戦は気合が入りますよね。そのタイトル戦が2試合連続というのは、なかなか出来ない経験かと。
樋口:タイトル戦ではないですが、過去に1日最大5試合戦っています。年越しプロレスでは4試合戦うこともあります。坂口さんも経験があるのでEruptionとしては有利でしたね。体力的にはキツいですが、時間の経過とともに気合が入っていきました。
――会場で観ていて感じたのが、2試合目の終盤で樋口選手のギアが上がりスピードが増した気がしました。
樋口:限界の先があるんです。そのモードに入ると、もう1段階ギアが上がります。ランナーズハイみたいなものですね。1日2試合、3試合を経験した自分や坂口さんは限界の先に行く時があります。
身体能力ではノーチラスの若い2人に勝てない。ですが、その先の限界を経験しているかどうかが勝負の明暗を分けた気がします。
――2試合終えて、KO-D6人タッグとKO-Dタッグのベルトを持っていたのはEruptionでした。セミファイナルのKO-D6人タッグ戦が17分27秒、メインイベントのKO-Dタッグ戦が19分33秒、合わせて37分。
樋口: 2冠王になれた…けど2試合は疲れましたね(苦笑)。Eruptionとして、2020年山場の一つでした。
――2020年Eruptionを思い返した時、鮮明に記憶に残っている戦いです。ただ残念なことに翌11月、若手通信世代の彰人・平田一喜・翔太組にベルトを奪われてしまいました。
樋口:途中まではEruptionが圧倒していました。ただ相手の作戦勝ちなのか、罠にかかってしまった。
――身体能力ではEruptionが上かと思いますが…
樋口:ノーチラス戦の真正面からぶつかり合う戦いのあとで、全く違う内容の試合になりました。若手通信世代に対して油断していたつもりはないのですが、スカされたというか…そうですね。スカされてベルトを獲られた感じです。
相撲に例えると、立ち合いでぶつかり合うのかと思いきや、体をずらしてかわしてきた。そんな印象です。だから悔しい、必ずEruptionでKO-D6人タッグ獲りにいきたいと考えています。
<後編に続く>
<インフォメーション>
3.28後楽園ホール「Judgement2021~DDT旗揚げ24周年記念大会~」でKO-D無差別級王者 秋山準選手から指名を受け、タイトルに挑戦する樋口和貞選手。詳細はDDTプロレスリング公式サイトをご確認下さい。
また3.28後楽園ホール大会は動画配信サービスWRESTLE UNIVERSEで生配信されます。
樋口和貞Twitter
取材・文/大楽聡詞
写真提供/DDTプロレスリング