【全日本プロレス 芦野祥太郎(前編)】たぶん中嶋勝彦も「王道マットで闘魂スタイル」の意味を理解してやってないんじゃないかな

――そういう思いで8か月間過ごしてきて、1231日リングに戻ってきました。マットの感触はどうでしたか?

芦野:息があがりました(笑)。トレーニングをしっかりして復帰したので、身体の状態は欠場前より良かったし、コンディションも順調。

ただ、リングに立ちお客さんを目の前にすると、気持ちの入り方が強く感じられたり、身体への負担が少なからずありました。

でも、そういった感覚も含め、久しぶりのリングが楽しくてしょうがなかった。「やっと元の自分に戻れるな」っていう気持ちが強かったですね。

――復帰戦はパートナーがT-Hawk選手で、対戦相手が黒潮TOKYOジャパン選手と立花誠吾選手という昔なじみの戦友でしたね。

芦野:「WRESTLE-1じゃん」と言われるかもしれないけど、それも自分の歩んできた歴史。そのメンバーとの復帰戦で緊張もなく、「これだったらプロレスを楽しめるな」という思いもあった。

復帰する約1ヶ月半前に発表されて「もう大丈夫だ」と確信しましたね。

――12日の後楽園で、黒潮選手と立花選手とタッグを組みました。その時、黒潮選手の入場曲で芦野選手が一緒に登場されて、「芦野選手ってこんな楽しそうに入場するんだ」と初めて知りました。

芦野:あれはお正月だし、お祭りとして乗っかってみました(笑)。でも「今年はそういった面もみせていきたい」という思いもある。

昔から黒潮を見ていて、「いつも楽しそうにプロレスしてるな」と羨ましい部分もあった。でも自分の場合、「戦い」が前面に出すぎてしまう。

もちろん「戦い」を大切にしているので、リング上の本人としては楽しいんですよ。

ただ、自然にお客さんを笑顔にできる部分は羨ましい。ないものねだりというか、自分には出来ないこと。

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