――2023年5月3日名古屋、HEAT-UP旗揚げ10周年大会で、TAMURA&阿部史典vs岩本煌史&石田慎也のカードで一時復帰、そして6.18新木場大会のメインイベントで岩本煌史&佐藤恵一vs鈴木鼓太郎&大門寺崇で本格復帰戦が行われました。このタイミングで、復帰されたのはどうしてですか。
岩本:自分自身、正直、 戻るつもりはまだ全然なかったんですよ。ですけど、HEAT-UPのTAMURAさんが、わざわざ僕のジムにお金払ってパーソナルトレーニングを受けに何回も通って来てくれて。
「5.3名古屋大会に、どうしても出てほしい。必要だから」と口説いてもらったというか…誘っていただいて。HEAT-UP旗揚げ10周年でもあり、TAMURAさんのデビュー20周年記念大会であるし。
2012年、自分が最初に入門した「スポルティーバエンターテイメント」が名古屋を拠点に活動している団体で、名古屋にゆかりもある。
真摯な気持ちで来てくれたTAMURAさんの想いが、すごく伝わりました。その気持ちには応えたいと思いました。
その試合後、間髪入れないくらいのタイミングで、6月の佐藤恵一さんの自主興行で本格復帰しました。この時も、「次にやるとしたら、岩本煌史復帰戦で僕はやりたいんです」と佐藤さんが言ってくれたんですけど、そこでもまだ復帰する気はなかったんです。
佐藤さんと一緒に食事して、「じゃあまたね」って別れた翌日に「6月の新木場を抑えたので、よろしくお願いします」と。僕の答えを待つ前に行動で示してくれた。
「ここまで言ってくれる人が同時に2人もいる。やっぱりその想いに応えなきゃダメでしょ」と。その2人にすごく突き動かされて復帰しましたね。
それがなければ、自分で「復帰しよう」と決断することはなかったです。
――参戦を決めて、身体を「プロレスラー」として戦える状態に戻すのに、どのくらい時間はかかりましたか?
岩本:自分のジムがあったので、トレーニングのメニューは、休業前と変わらずバリバリやっていました。 それプラス、食事のことなど色々勉強もして自分自身で試してやっていました。
だから、めちゃめちゃ動きやすい体は作れていました。あとは感覚の部分、1年半離れていたので。そこだけ、「どうかな」って不安だっただけで、体的には全く変わらないし締まっている状態だったと思います。
――確かに、2021年の年末よりも、9.8代々木『#ajpw ジャイアントシリーズ2023』のときは、すごくシュッとされているイメージがありました。動きも鈍らず、逆に軽くなった印象を受けました。
岩本:多分変わっていると思います。でも、まだ9月の代々木は頭と体がリンクしてない感覚がちょっとありました。今はもう全く大丈夫ですけど。「動けるな」っていうのは、自分の中の感覚ではあったんですけどね(苦笑)。
<後編に続く>
<インフォメーション>
12.31代々木で岩本煌史選手が出場する「#ajpwMANIAx2023」が開催されます。詳細は全日本プロレスWEBサイトをご覧ください。
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取材/大楽聡詞 文/黒澤浩美
写真提供/全日本プロレス