2.7湯けむり天然温泉プロレスで、高木三四郎、ばってん×ぶらぶらとの3WAYマッチを制し、待望のシングルベルトDDT EXTREME級王座を初戴冠。2.28後楽園ホールで初防衛の相手にMAOを指名。その勝俣は昨年5月、レスラーとしてターニングポイントを迎えていた。
――前回取材したのが、2020年5月DDT TV SHOW!#2で勝俣選手がクリス・ブルックス選手とハードコアマッチで戦う前でした。
勝俣瞬馬(以下 勝俣):去年は、そこから(5月クリス戦)始まった気がします。お客さんがいない無観客試合で、初戦がハードコアマッチ。その後、ヨシヒコと対戦しましたが、クリスとの闘いで吹っ切れましたね。今考えると無観客でハードコアの試合も狂っていると思いますけど(笑)。
無観客で試合することを経験して気持ちが鍛えられましたね。その後、大日本プロレス(以下 大日本)の7.24後楽園大会に出場しました。お客さんの歓声がある中で試合をするのと、拍手だけの中で試合をするのは選手のテンションの上がり方やアドレナリンの出方が違うと思います。
お客さんがいない中でクリスやヨシヒコと闘った経験や緊張感が、良い意味で大日本の最俠タッグトーナメントまで続いたと思います。
――その最俠タッグトーナメントは、伊東竜二選手と出場し準優勝。勝俣選手ご本人として手応えはいかがでしたか?
勝俣:自分的には「ここで何かを残さないといけない」という気持ちがありました。2019年の年越しプロレスで蛍光灯デスマッチに挑戦し「初めてだけど、勝俣よくやった」という声をいただきました。
でも最俠タッグトーナメントに参加することになり、デスマッチに対応できるかどうかファンの方の見方が変わったと思うんです。そのプレッシャーはありました。
プロレスラーは自分をプロデュースして表現しないと、リング上で埋もれてしまいます。最俠タッグはリング上に4選手が同時に上がる。その中で「1番、目立ってやる」と気持ちも強かったし「勝俣瞬馬」というレスラーを見せたかった。参戦しているだけではなく「覚悟」を見せたかったので、本当に頑張れました。
――最俠タッグトーナメントで準優勝し、DDTのリングに戻ってきた勝俣選手がすごく生き生きしているように感じました。昨年5月の取材の時から半年で、「こんなに人は変わるのか」と正直驚きました。
勝俣:大日本プロレスに参戦して、DDT以外のお客さんに「勝俣瞬馬」を知って貰えたことは自信に繋がりましたね。今、気持ち的に楽しくプロレスができています。
2018年ごろ、怪我が続いた時期がありました。その時期は本当にプロレスが嫌でした。大好きだったはずのプロレスが、楽しくないと思ってしまった。でも今は、毎回プロレスが楽しく、「自分のプロレスが出来ている」と感じています。
――リング上でのパフォーマンスも変化したように思います。大日本の最俠タッグ以降は、マイクを持って、リング上でよりアピールするようになりましたよね。
勝俣:(少し考えて)たしかに変わりましたね(笑)。