【DDTプロレス 上野勇希】DDT UNIVERSAL王者としての責任(後編)

――寮は一軒家でしたか?

上野:一軒家が2つあって、それが隣り合わせ。片方の家の壁がなく二つの一軒家が繋がっているという不思議な作りの家でしたね。隣の家に行くのに窓から移動、家と家の間に若干隙間があるので砂埃が入ってきました。

 僕は今までプロレスを続ける上で、1度もネガティブなことを考えなかったですけど、上京した初日その家を見て「続けられるかな…」と不安になりましたね(笑)。

――初日に、レスラーとして高いハードルを乗り越えられたということですね(苦笑)。

上野:それで初日一気に掃除をして住みやすくしました。そこには半年くらい住みましたね。今思えば楽しい思い出です。

――ところで試合前に行うルーティンは、ありますか?

上野:「マッサージガン」と言って、先に球のようなアタッチメントをつける機械があり、それで筋肉をほぐします。

 あと試合直前に関してはニコニコする、プレッシャーのある試合であればあるほど入場ゲートの前で笑顔を作ります。笑顔はストレスを解消すると聞いたことがあるのでプレッシャーを跳ね除ける意味でも実践しています。

――プロレスをする際に、こだわって使う道具とかありますか?

上野:「A-wear」ですね。タケから誕生日プレゼントでもらったものです。試合前やトレーニングの時、指に装着しエクササイズをすることで身体を整えることができます。周りでも評判が良く、平田一喜さんも彰人さんも使っていますね。

――レスラーの方は日頃から体調管理に気をつけていますよね。ところで2.14カルッツかわさき大会、坂口征夫選手と戦うことになりました。これまでの借りを返すチャンスですね。

上野:楽しみですよ。坂口さんってスカさないじゃないですか?ド直球の方なので煽れば煽るほど、ぶつかって来てくれる。翔太さんと掛け合うのも好きですけど、坂口さんのようにストレートに来てくれる方も楽しいですね。

――坂口選手とはタッグマッチで何度も戦っていますが、気をつけている点はありますか?

上野:坂口さんは1発1発の攻撃レベルが高いです。打撃もサブミッションも一発が強いので一瞬も油断できない相手です。昔、一度だけ広島でアイアンマンのタイトルマッチを戦った記憶があります

 坂口さんは芯が一本通っているレスラーなので、真正面からぶつかる時もあれば、坂口さんの嫌なことを仕掛けたり、怒らせたらどうなるのかな?と楽しみながら戦っています。

――上野選手、やりそうですね(苦笑)。

上野:坂口さんには6人タッグでは絞め落とされて、タッグでは頭を何度も蹴られて、「このままでは2020年は終われない…」と思っていたら、2021年になってしまいました(苦笑)。ですから2020年の忘れ物を回収しないとダメですね。

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