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大学在学時にバブル崩壊、突然の就職氷河期に
――大学卒業後、最初は銀行に就職されましたね。
永守:就職活動をしていく中で、「いろんな商売を広く見られる仕事ってなんだろう」と思った時、「銀行だな」と。それが不幸の始まりなんですけどね(苦笑)。銀行はいろんな仕事の中でも特にきついと言われている世界です。
1990年代は金融ビッグバンの時代で銀行同士の合併が多かった。最初、名古屋が本店の東海銀行に入行したのに、いつの間にか別の名前の銀行になりました。
――「いろんな商売を見てみたい」というのは、「将来起業しよう」という気持ちがあったのでしょうか?
永守:いや、そういうことはないんです。単純にいろんな仕事を見たかったのでしょうね。1991年にバブルが崩壊し、私たちは就職氷河期。それまでの売り手市場ではなく買い手市場、企業と学生の関係が逆転しました。
――バブル崩壊前は、企業も人材を確保するために学生の囲い込みがすごかったと聞きます。内定すると車をもらった人もいるとか(苦笑)。
永守:それがバブル崩壊で180度変化し、企業の対応も変わりました。それで私の反骨精神に火がついた(笑)。
「都市銀行への就職は、かなり難しい」と言われていた時期、「だったら行ってみたい」と考え、そこから私のキャリアがスタートしましたね。