――小川選手は国際大会で個人戦とペア戦、どちらかで出場したい、という希望はあります?
小川:どっちも出たいですけど、味方同士で話し合って戦略を立てる、というのが好きなので、個人的にはペア戦に出てみたいですね。
――ちなみに、試合で有効な戦略を考えるために、日常生活でボッチャに役立つようなことは何かされているのでしょうか?
小川:僕はよく将棋をやっています。ボッチャはすぐに局面が変わるので、つねに先を読んでいかないといけない。ですので、一手先、二手先を読むことが必要な将棋は、ボッチャと一緒にやるとプレーにいい影響を与えると言われているんです。なので「ボッチャをやる人は将棋も一緒にやった方がいいよ」という人は多いんですよ。
――確かに、将棋をやることで競技の練習以外の時間も、戦略を練る知能の使い方を養うことができますね。では、競技人生を通して得た“学び”を教えていただきたいです。
小川:やはり、最後まで諦めないことですかね。ボッチャに出会うまでは、やることやること、すぐに妥協したり諦めたりするところがあったんですけど、競技を始めてからは「諦めないで進めた方が、いいことがあるんだな」ということを実感しました。最後まで諦めないで何事にも取り組もう、という気持ちの大切さ、そして強さを、ボッチャからは学ぶことができたんです。
――ありがとうございます。今後の目標をお聞かせください。
小川:まずは国内の大会で勝ち上がって、国際大会に出場できるようになることが目標です。そしてその先のパラリンピック出場を目指していきたいと思っています。
――最後に、ボッチャを通してどんなことを伝えたいですか?
小川:初めてボッチャに出会った時、「車椅子に乗っている僕でもスポーツを楽しむことが出来るんだ」と思ったんです。ボッチャは障害者も健常者も一緒にできるスポーツ。だからボッチャを通して、健常者の方と障害者、お互いがより理解しあって欲しいなと、僕も選手活動を通じて伝えていきたいですね。
<おわり>
取材・文/大楽聡詞
編集・写真/佐藤主祥