LLPWで社長就任
――遠藤選手は2007年8月に参議院議員になった神取さんの代わりに、代表に就任しました。
遠藤:私は社長の器じゃない。それまで1レスラーとしてプロレスに専念すれば良かったけど、会場のことやお金のことなど、それまで分からなかったことがたくさんあった。
それに社長になることで他のレスラーとの関係性に変化が出てきた。自分を追い込んでしまったんです。
それで「自分は何がしたいのか?」を改めて考えた時、単純に試合がしたかった。それで2009年5月に代表を辞任し、レスラーに専念しました。
――よく「社長は孤独だ」という言葉を聞きますが…
遠藤:孤独でしたね。1つの興行が終わっても、また次の興行がある。「私は何のために、この世界に入ったんだろう」と。
社長業を経験し、色々なことを学びました。ただ私には向いてなかった。
WAVEの社長・桜花由美さんは、いつも笑顔で「おはようございます」と声をかけてくれる。私は社長の時に周囲の人たちに笑顔で声をかけることができなかった。桜花さんと私は覚悟が違うと思います。
引退試合のパートナー大向美智子と、対戦相手のSAKI&瑞稀
――引退試合のパートナーは大向美智子選手ですね。
遠藤:彼女は全日本女子プロレスで1992年にデビューしたけどケガで引退。その後1993年にLLPWで再デビュー。LLPW時代のライバル。戦ったしタッグも組みました。いつも「大向ちゃんには負けられねぇ」と思ってましたね。
――そして対戦相手はLLPW-X時代の後輩、SAKI&MIZUKI(現在・瑞希)ですね。
遠藤:2人ともアイドルになりたくてオーディションを受けたはずなのに(苦笑)。それが約10年経って2人ともプロレス業界でトップ選手として活躍している。
SAKIはCOLOR’Sのリーダーとして数々のベルトを巻いて、海外でも活動している。MIZUKIは東京女子プロレスで、現在プリンセス・オブ・プリンセス王座とTOKYOプリンセスタッグ王座の2冠王者。
昔、練習中に「なんでアイドルなのに後ろに倒れなきゃいけないんですか?」ってボソッと呟いたMIZUKIが2冠王者として団体の中心レスラーですよ(笑)。
最後に時代を共に歩んだ心強いパートナー、そして立派に成長した後輩たちと一緒に大好きなプロレスがしたい。彼女たちの成長を肌で感じたいですね。