――カヌーホームは、定期的にカヌー普及のためのイベントも開催していますよね?
江盛:カヌーの陸上で出来るトレーニングマシンを使ったバトルレースです。自転車レースのズイフトのカヌー版ですね。ズイフトはトレーナー(ローラー台)で走行したデータを、パソコンやスマホなどを使用し、オンラインで仮想空間上で走行できるサイクリングゲームのことです。
専用モニターに漕いだ分の速度が表示されます。その機械がヨーロッパの方で注目を集めていました。特に北欧では冬の間は水上での練習ができないこともあり、この機械を使用してトレーニングを行います。
水上の方が陸上よりバランスが取り難いので、「水上で練習を行う方が大切」と言う考えもあります。
ただ北欧のカヌーチームの監督は、「身体は追い込み切れた方が、力がつく。水上に出たいのであれば気晴らし程度にどうぞ」とおっしゃっています(笑)。カヌー強豪国が多いヨーロッパでは機械のトレーニングを重視していますね。近年、日本でもその機械が導入されるようになりました。
――それは、ここ2,3年のことでしょうか?
江盛:5,6年でしょうか。その機械もいろいろなところで持つようになり、高校など学校で所有するところが増えました。
――ところでカヌー魅力はなんでしょうか?
江盛:(しばし悩んで…)私にとっては自分の時間を感じられるところ。一番好きなのは早朝、日が昇るか昇らないかで1人で漕いでいる時。水面が鏡のように静まり返って、私がパドルをいれるたびに水面が波打つ…その時、雑念がなくなって集中できます。自然の中で、それが出来ることが気持ちいいです。競技も好きですけど、水上にいること自体が好きですね(笑)。
――今後、カヌーホームの活動目標を教えて下さい。
江盛:元々「カヌーホーム」という名前の由来が「カヌーがみんなの故郷になるように」と願いを込めて付けられました。
野球やサッカーだとテレビ中継が行われているので、選手を辞めたとしても触れる機会があります。でもカヌーは触れる機会が少ない。自分で探しに行かないとなかなかカヌーに触れることができません。私が鹿児島でそうだったように(苦笑)。
私はカヌー経験者と出会うと、初めて会った人でもメチャクチャ盛り上がるんです。共通するものがあると打ち解けやすくなりますよね。選手や関係者である期間だけではなく、カヌーがときに人生の拠り所になるといいなと願っています。
だからカヌーホームでは、カヌーを大事に思っている方に寄り添い、大切に思ってもらえるような環境を作って行きたいと思います。
<インフォメーション>
第1回オンラインエルゴ選手権大会
2021年1月30日(土)10:00~ レース開始
北は秋田から、南は鹿児島まで、全12都府県14か所を同時接続しレースを実施!
ライブ動画は下記サイトからご覧いただけます。