「プロレスラーになりたい」と両親に告白。母は大号泣。そして父は…
――きずな選手がプロレスをやりたいことに、ご両親の反応は?
きずな:栗原さんの試合を見て、プロレスが大好きになりました。今度は私から「プロレスを観に行きたい」って言うように。母は会場に連れて行ってくれるけど、帰りの車内で「プロレスやりたいって絶対言わないでね」って毎回泣きながら言ってくるんです。
だから言い出せる雰囲気はなく、「プロレスやりたい」と一度も口にしたことはなかったですね。
――そんな状況で、「プロレスラーになりたい」とご両親に打ち明けたのは、いつでしたか?
きずな:中学3年生の進路説明会の時、母に打ち明けて、その半年後に父にも打ち明けました。
母は大号泣です。やっぱり母がケガでプロレスを引退しているので言い出しにくかった。母の気持ちもわかっていたけど、どうしてもプロレスラーになりたくて。
小学3年から中学3年の間、両親に言えずに「プロレスラーになりたい」と思い続けてました。それでも諦めきれなくて、「もう今、言わないとタイミングがなくなる」って思って言いました。
――お父さんはどうでしたか?
きずな:母に伝えてから約半年後、父に伝えました。父の日に渡した手紙に、「話したいことがあるんだけど、2人でご飯行ってくれない?」って書いたら、「じゃあ、すぐ行こう」と。その時、「プロレスラーになりたいんだ」って言ったら、「そうだと思ったよ」って。
いつか「プロレスラーになりたい」と打ち明けられると感じていたし、渡した手紙を見て「今回の話が、その時なんだ」と気づいたみたいです。
私は「プロレスをなめてんのか」って怒られると思っていた。そしたら父から「ママになんて言われたの?」って聞かれて、「ママは『賛成はしないけど応援するから頑張って』」と。
父は諦めたように「ママがそう言うなら、俺はなにも言えないな」と言ってくれました。
――中学3年生でプロレスラーになることを両親に打ち明け、練習生としてWAVEに入ったのは高校3年生の時。この期間、体を鍛えるトレーニングやスポーツはしましたか?
きずな:私が「プロレスラーになるため」にやるべき条件を両親から出されました。まず「高校3年間通い続けること」と「部活に入って高校生活を楽しんでほしい」と言われ、私はチアダンス部に入部しました。
ただプロレスラーになるための格闘技などやってこなかった。それで何か身につけたくて、学校と部活の合間に早朝バイトでお金を貯めてキックボクシングに、親に内緒でこっそり通いました。でもすぐバレましたね(苦笑)。
父に「まずは基礎体力が大事だから」と言われました。その後、一緒にランニングし、練習を見てもらいました。
<後編に続く>
<インフォメーション>
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田中きずな Twitter
取材・編集/大楽聡詞 記事/黒澤浩美
写真提供/プロレスリングWAVE