6月25日、後楽園ホールのメインイベント、第58代DDT EXTREME王座決定戦、MAO(The37KAMIINA)vs平田一喜(ディザスター・ボックス)vsヨシヒコの3WAYダンスマッチが行われた。3選手が同時に試合を行い、3カウント・ギブアップ等で敗れた選手は退場。最後の1人になるまで試合を行うサバイバル形式。
この王座は勝俣瞬馬(The37KAMIINA)が保持していたが、初防衛戦で勝俣が右足を負傷し欠場を余儀なくされ、無念の王座返上。タッグパートナーのMAOが名乗りを挙げ、平田と新王座を争うことになった。
だが6月13日、勝者がルールを決める浅草大会の前哨戦。上野勇希&MAO vsヨシヒコ&平田一喜のタッグマッチで、なんとヨシヒコが勝利。そのヨシヒコが参戦を要求し、急遽3WAYタイトルマッチに変更。今回のDDT EXTREME戦はMAOがあこがれていた「怪しいDDTそのもの」であり、平田が言う「エクストリームな事件」でもある。
試合前のVTRで「メインイベントが怖い」と話していたDDTのダンシングスター・平田一喜が先に登場。入場曲「TOKYO GO!」にのせて、会場も大盛り上がり。今回メインイベントの緊張による嗚咽を36回覚えたらしいが、そんな気配は感じさせないノリだ。
続いてはMAOが颯爽と入場。だが表情は硬く勝俣瞬馬の無念の思いを胸に登場した。ヨシヒコはいつものように表情を変えず無言でリングに上がった。欠場中の勝俣瞬馬が特別立会人を務めた。
平田はEXTREME王座決定戦を「ベルトにたどり着くには、まずは秒殺されないこと」を目標に挑む。まずは、平田とMAOが対峙。ヨシヒコも加わり3人でロックアップ、そしてバックの取り合い。カウントの取り合いで緊張感が増す中、ヨシヒコがマットを叩き会場が手拍子の渦に。
MAOがヨシヒコの顔をロープに擦り付け、ヨシヒコの顔が歪む。そして平田が非常にもヨシヒコへ顔面キック。平田が「ヨシヒコを先に倒そう」とMAOに提案。MAOのスリーパーホールドでヨシヒコが落ちるかと思いきや、MAOと平田を場外へ落とし超スーパー宇宙人プランチャ。
ヨシヒコは、エプロンにMAOの頭を叩き付け、デストロイの連発。そして平田のバックを獲り平田ピンチかと思いきや、ヨシヒコを頭上で旋回しコーナーに叩き付けた。平田のスーパーパワーボムを切り返すヨシヒコ。
ヨシヒコはロコモーション式のジャーマンで平田を追い詰めるがカウント2でMAOがカットに入った。
15分が経過、ヨシヒコはMAOと平田の2人に輪廻転生を決めたが、決められた2人が切り返し3カウント。まずはヨシヒコが失格となった。
ここからは、MAOと平田の一騎打ち。平田は「絶対獲るぞー!」と気合を入れるも、MAOの強烈な蹴りにダメージを負う。会場を包み込む「平田!」コール。そして奇跡が起こった。平田が首固めで3カウントを獲り勝利。第58代DDT EXTREME王者に輝いた。
MAOは「チャンピオンになったら『徹底的に挑戦者を困らせてやろうかな』と新たなエクストリームの確立に期待を寄せていたが、ベルトに手が届かず。
だがMAO本人は、「夢の中にいるみたいだった。負けてもすっきりしてんだよなぁ。自分が紡げなかったものは平田さんに託す。両国でシングルもあるし、まだまだ俺の夢は終わらないですね」と話した。
試合前、ヨシヒコは「お腹まわりが寂しくて…紫のベルト巻きたいなー」と心の声をもらしていたが、試合後は無念の表情を浮かべながらもノーコメント。
3WAYダンスを制した平田が、見事EXTREME王者のベルトを手にした。「手が届きそうで届かなかったEXTREMEのベルト。次はルールをこちらの優位にして楽しくハッピーな試合をしたいと思います!」と次の防衛戦を見据えている。
EXTREME新王者の平田から初防衛戦の相手として指名を受けたのは、同じユニットのHARASHIMA。「断る理由はないので。僕もいろんなルールに対応できると思うので非常に楽しみです!」と答えた。
DDT EXTREME新王者の平田一喜。新王者のハッピーロード初防衛戦は7月30日後楽園ホールだ。
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文/黒澤浩美 写真提供/DDTプロレスリング