――普段、カヌー選手は、どのような練習をしているのですか?
江盛:主に水上での練習になります。筋トレもしますよ。カヌーで大切な筋肉は、背中の広背筋です。一般的に腕を使ってパドルを漕いで、艇が進んでいるように見えると思います。本当はパドルを水の中に挿して、そこに自分の身体と艇を持っていくイメージです。
棒高跳びを想像してもらえば分かりやすいと思います。支点を作って、そこに身体を持っていく感じ。パドルを水の中に挿して、背中の広背筋を使い、身体と艇を近づける感覚ですね。厳密には様々な筋肉を使いますけど、大きく説明すると背中の広背筋が大切です。
――全身の筋肉を使うけど、主に背中の筋肉を使うスポーツということでしょうか?
江盛:そうですね。あとは体幹も使います。身体を捻るので腹斜筋が大切ですね。
――カヌー選手は、格闘技やアメフト・ラグビー選手と同じようにキレイな逆三角形のボディですよね。ちなみに大学時代は、どのくらい練習をしていましたか?
江盛:やってから知りましたが、カヌーは想像より体力を使う競技ですね(笑)。大学時代の練習時間は、準備や片付けとかも入れると早朝が1時間半、午後が3時間くらい。計5時間くらいです。
練習内容も季節によって変わります。冬は日が沈むのが早いので、筋トレ中心になりますね。水上の練習は早い時間帯に行い、日が沈んだら水上ではない練習。あとはエルゴです。エルゴはカヌーの動きで筋トレできるトレーニングマシンですね。
――そういうトレーニングマシンがあるんですね。ところで大学時代、出場した大会での成績を教えてください。
江盛:ひとつは、大学3年の時、「Head Of The Seta」という大会で優勝しました。滋賀県大津市の瀬田川で1番速い人を決める大会ですね。元々、ボートの大会で往復約6キロ。
――往復だと最初追い風なのに、途中から向かい風になる感じでしょうか?
江盛:そうですね、風には左右されます。ただカヌースプリントは基本、静水でやる競技です。多少、上りと下りで水の流れは違ったりしますが、上れないということはない(笑)。水面は穏やかです。
長距離レースだと20キロとかありますが、それから比べると6キロはたいした距離ではないですね。
――20キロは、どのくらい時間がかかりますか?
江盛:大体2時間くらいです。男子は2時間を切りますね。マラソンと同じように途中で給水しても大丈夫です。
あと大学4年時に「京都府選手権」で優勝しました。出場するのは琵琶湖で練習している方々や京都の学生です。カヌー強豪校の同志社大学や立命館大学も参加していましたね。この時、競り勝って優勝することができたので印象に残っています。