――D王GP覇者になり自信がつき、上野選手を成長させてくれたのですね。そして2023年は1.13新宿FACEでDDT UNIVERSAL王座・サバイバル3WAYマッチ。挑戦者に土井成樹選手と佐々木大輔選手を迎え3度目の防衛に挑むも、土井選手に敗れ王座陥落。あの時の試合を振り返っていただけますか?
上野:土井さんはデビューして23年のフリーの選手。ここまで様々な団体で求められ、結果を残すのはすごいなと思います。
佐々木さんとの対戦は苦しいことも多いけど、試合を重ねるたびにレスラーとしての自分のレベルが一段階上がったと実感することが多く、毎回戦うのが楽しみな選手ですね
実際試合をしたら、土井さんの存在感がすごかった。3WAYは通常の試合と比較すると、対戦相手一人だけに集中するわけにはいかない。3WAYならではの駆け引きも存在します。
土井さんにはマスキュラーボム(変形のパワーボム)という強烈な技をくらって負けた。負けは悔しいけど、3WAYは楽しいなって改めて思いました。
――上野選手のポジティブ感情はリング上でも感じることができますが、逆に怒りや嫉妬、恐怖など抑えているようにも思うのですが。
上野:いやいや、そんなことないですよ(笑)。その都度 気持ちを嘘偽りなく出しています。僕は着飾ることがすごく苦手なので、その時に感じたことをありのまま表に出す。その方がストレスにならないですし。
日頃のリングから何も包み隠すこともないし、感情が動いたら「嬉しいは嬉しい」、「悔しいは悔しい」で。あまり自分的には感情を抑えようとか意識してないです。
――2021年、竹下選手とのD王GP決勝の時と、2022年の12.29TOKYO DOME CITY HALLで樋口和貞選手のもつKO-D無差別級選手権試合に挑んだ時、いつもの試合とは違った印象を受けました。上野選手の中に何かグッと動いたものがあったのかと。
上野:どの試合も気持ちは変わらない。「DDTを見せるんだ」という強い気持ち。その12.29KO-D無差別級王座戦は僕と樋口さんで、「僕らがDDTなんだ」っていう戦いをみんなに見せたいし、見せるように意識している。
どの試合も「これがDDTなんだ」って言えるように、自分は常に考えてリングに上がっています。
<後編に続く>
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文/黒澤 浩美 取材/大楽 聡詞
写真提供/DDTプロレスリング