――遠藤選手がBURNING結成前に所属していた「DAMNATION(ダムネーション)」はダークな印象がありました。そのイメージを引きずっているのか、僕は遠藤選手がそういう状況でも跳ね返すというか、あまり気にしないと思っていました。
遠藤:MAOは予測できないところもあって、底知れぬ影がある。今まで隠し持っていたものを、ここぞとばかりに突き立ててくる。僕の一番苦手なタイプですね。
――遠藤選手は心優しい選手だと思います。
遠藤:この世界、優しいだけじゃやっていけない。MAOが主張していることは、僕自身も薄々は感じていたことなんです。僕はMAOに対して、羨ましいと思っているのかもしれないですね。嫉妬心というか…。
チャンピオンとしては、これがいいのか悪いのかっていう話ですけど、ただ僕の本当に素直な気持ちですね。ここでカッコつけるのも違うと思うんで胸の内を明かすとそんな感じです。
僕は今、BURNINGで活動していますが、前のユニットDAMNATIONはDDTの中で人気のあるユニットでした。
2016、17年と2年連続でベストユニット賞も獲っているし、KO-Dタッグ王座やKO-D6人タッグ王座など、多くのタイトルも獲ってきた。
今まではその積み上げた成績や経験を糧に、「自分自身なんとか変わらなきゃいけない」っていう気持ちを胸に抱きつつ、でもその思いと向き合わずに今までやってきた。
もちろん、BURNINGを立ち上げて、自分の中で環境を変えた部分もあるんですけど、まだ納得はしていない。
見ている人からしても、納得していない人が多いと思います。そこをMAOに突かれたので、結構がんじがらめになっています。
<後編に続く>
<インフォメーション>
5.3ゴールデンウィークビッグマッチ「MEGA MAX BUMP 2023 in YOKOHAMA」神奈川・横浜武道館で開催。挑戦者のMAOを迎え撃つDDT UNIVERSAL王座第10代王者の遠藤哲哉初防衛戦。詳細はDDTプロレスリング公式サイトをご覧ください。
なお試合は動画配信サイトレッスルユニバースで配信されます。
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文/黒澤 浩美 取材/大楽 聡詞
写真提供/DDTプロレスリング