4.9後楽園「April Fool 2023」のメインイベントでKO-Dタッグ王座戦が行われ、王者チームMAO&勝俣瞬馬が挑戦者HARASHIMA&中村圭吾を退け5度目の防衛に成功した
挑戦者の中村は2021年11月から右膝の手術を行い長期欠場、今年1月13日に復帰したばかり。
中村の欠場中に力をつけた後輩の岡谷英樹、小嶋斗偉、高鹿佑也、正田壮史は2.21武藤敬司の引退興行に出場、須見和馬は3.1後楽園ジュニアの祭典で躍動した。
1月29日からスタートした若手のリーグ戦「D GENERATIONS CUP(DGC)」。中村は「このリーグ戦に優勝して全部をひっくり返したかった」と語った。だが1勝2敗と結果を出せなかった。
だが3.21後楽園大会で中村は予想外の行動に出る。この日、中村はHARASHIMAと組みイラプション(坂口征夫&岡谷英樹)とタッグマッチ。
パートナーのHARASHIMAが岡谷からフォールを奪ったにも関わらず、試合後中村は自分が勝利したかのようにマイクを握りKO-Dタッグ王座への挑戦をぶち上げた!
観客だけでなくパートナーのHARASHIMAも困惑する中、勢いとノリでタイトル戦に漕ぎつけた。
4.9後楽園大会、初めてメインのリングに立った中村。試合はその中村とMAOでスタート。先輩のMAOに一切ひるむことなくエルボーを叩き込む。
MAOが勝俣にスイッチ、だが中村はHARASHIMAのタッチを断り勝俣と対峙。リング下のしゅんまおにコーナー最上段からウルトラタイガードロップ、この戦いに賭ける決意を見せた。その中村に触発されたようにHARASHIMAもMAOとキック合戦を展開。
15分過ぎ、パートナーのHARASHIMAは中村に勝負を託す。中村は立った状態の勝俣に蒼魔刀を放ち、トップロープからダイビングボディプレスを狙うが勝俣に切り返される。
最後はしゅんまおの俺たちのマッドマックスが中村に決まり万事休す。第75代KO-Dタッグ王者・MAO&勝俣が5度目の防衛に成功した。
試合後、敗れた中村に勝俣とMAOは優しく声をかけた。負けた悔しさからか、メインの重圧から解放された安堵感からなのか、涙が溢れ出す中村。
だがこの大会、誰よりも輝いたのは中村圭吾。観客の中村への拍手がそのことを証明していた。
後輩に遅れをとったと悩んだ時間は無駄ではない。試合に負けて流した涙が嬉し涙に変わる日は必ず訪れる。中村の先輩たちがそうであったように…
<インフォメーション>
DDTプロレスの試合日程はDDTプロレスリング公式サイトをご覧ください。
取材・文/大楽 聡詞 編集/黒澤 浩美
写真提供/DDTプロレスリング