DDTプロレス入団の決め手は「ハチャメチャな団体」だから
――家族みんなでプロレス好きだったんですね。ところで高校卒業後、すぐDDTに入門したのですか?
中村:そうです。高校3年の時DDTの試験を受けて合格。4月1日に上京しました。
――数あるプロレス団体の中からDDTを選んだ理由は何ですか?
中村:DDTを選んだのは「ハチャメチャな団体」だから。僕もハチャメチャな人間なので(笑)。
最初は新日本プロレスから、サムライTVでいろいろな団体の試合を観ていました。そしてDDTの路上プロレスを観た時に「面白いことやっている団体だ」と。
「この団体に入ったら好きなプロレスをもっと楽しめそう」と心を掴まれました。奇想天外な発想で、やっていることが刺激的。すごく魅力ある団体だと思いました。
――練習生としての期間はどれくらいでしたか?
中村:約1年半と長かったです。怪我をしたわけではなく、トレーニングや練習で体を鍛えていました。デビューまで時間がかかったのは…(少し考えて)タイミングが合わなかったんでしょうね(苦笑)。
精神的に余裕がなかったデビュー戦
――中村選手のデビュー戦は2019年10月19日、東京・両国KFCホール。対戦相手は吉村直巳選手でした。試合の前に吉村選手から増量を指示されたようですね。
中村:はい。72Kgの体重を75Kgに増量するように言われました。試合の1週間前は目標体重をクリアしましたが、本番直前に計ったら痩せていた。
増量しようとコンビニ弁当をたくさん食べたら、逆に体調を崩してしまって(苦笑)。プレッシャーもあったと思います。
――デビュー戦は緊張で余裕がなくなり視野が狭くなりがちです。試合後に記憶がないというレスラーも多いですが、中村選手はどうでしたか?
中村:僕も覚えてないですね。ミサイルキックがヤバかったのは感覚的に覚えているような気もしますけど、ほぼ記憶にないです。思い出そうとしても思い出せない。
試合前のアップまでは覚えていますが、もうそれ以降は全く…入場さえ覚えていません。
試合後、バックステージでコメントしたあたりでようやく意識が戻ってきました。あとでレッスルユニバース(動画配信)を観ましたが「こんなことしたんだ」と記憶が断片的でした。
でもデビュー戦の前、2019年7月大田区総合体育館のエキシビジョンマッチの方は全く記憶がない。どうやっても思い出せないんです。
最初の1,2年は、試合だけに集中して気持ちに余裕がなく、視野を広げることが出来なくて、動きも悪かった気がします。
――今はどうですか?
中村:今は大体覚えています。今年1月に復帰してからは冷静に周囲を見られるようになりました。お客さんの顔を見る余裕もあります(笑)。