――そういう気持ちの辰巳選手をチャンピオンとして、どのように迎えようと思いますか?
坂崎:自分はすごく冷静になっているんですよ。今までの山下・中島・瑞希とは違って、落ち着いている自分がいます。リカに対して…すごく冷静な気持ちで見ていると言いますか、正直響いてこないんですよね。
12.26板橋で年内最後の試合がありますが、そこのカードも組まれるか分かりませんし(※取材時点では不明)。「やれるなら、やって来いよ」という気持ちですかね。
――チャンピオンとして辰巳選手の全てを受け止めるぞ、という心境なんですね。
坂崎:そうです。
――2020年は新型コロナの影響があり、誰もが我慢を強いられる1年でした。坂崎選手にとっての2020年はいかがでしたか?
坂崎:「こんな人生を送れる人は、なかなかいないんじゃないか」と思えるほど濃ゆい1年で、何も思い通りに行かない。4月に東京女子でアメリカ大会が予定されていて、これを誰よりも楽しみにしていて。「東京女子のみんなでアメリカに行ける」「そこでタイトルマッチができる」そこから東京女子が、また変わっていくんだろう、と思っていたらバツンと道が閉ざされてしまいました。
海外への渡航も伸びてしまって。そんな環境の中で自分に出来ること・やらなければならないことを、より整理整頓できたと思っています。だから新技開発に踏み切れた。精神的に強くなったからこそ「ファイヤーバード」も完成させることが出来た気がしていますね。
坂崎:ステイホーム期間中は自宅で練習し、道場での練習が解禁になった後は、みんながやっていない時間を借りて技の練習をしていました。結構前から取り組んではいたんですけど、私の精神的な弱さから、どうしても足で着地をしてしまったり身体の一部を痛めてしまったりと思い通りに行かなくて。
「自粛になって道場が使えない」となった時、「この期間に完成させるしかない」と思い自分を追い込んでできるようになりました。
――いろいろと耐えることで学んだことや完成した技があった2020年、そして2021年はどのような1年にしたいですか?
坂崎:まだコロナが終息している訳ではないので、なんとも言えないですけど、「攻める時は攻めて、守る時は守る」という姿勢でメリハリをつけて、そしてコロナが終息する時まで、実力をつけて行こうと思っています。
<インフォメーション>
6年連続開催となる東京女子プロレス「イッテンヨン」後楽園ホール。メインイベントはチャンピオン坂崎ユカ選手が、同期である辰巳リカ選手の挑戦を受けるプリンセス・オブ・プリンセス王座選手権。詳細はこちらをご確認ください
また1・4後楽園大会の模様はインターネットテレビ局ABEMAの格闘チャンネルで生配信され、動画配信サービス「WRESTLE UNIVERSE」では初の全編英語での実況生中継が行われます。
取材・文/大楽聡詞
写真提供/DDTプロレスリング