――7月にKO-D無差別級王者になり身体的に辛い戦いを続けてきた中、坂口選手との戦いはメンタル的にも追い詰められた試合だと思います。それでも勝てた要因はなんですか?
樋口:「自分の我を通せたところ」だと思います。坂口さんは自分を「なぜもっと前に出ないんだ。縁の下の力持ちに酔いしれやがって」と挑発してきた。それでも「自分は変わらず、このままのスタイルで進みます」と我を通すことができた。
――吉村さんとハリマオを結成したのが大きいですか?
樋口:もちろん!吉村とハリマオを結成し石田有輝が合流、2人に支えられているところも大きいです。おかげで「自分が自分が…」と流されることなく我を通せましたね。
だから自分のままで「弱い自分」を上回れた気がします。
――その後、11月からシングルのリーグ戦「D王GP」がスタート、樋口選手はBブロック3勝1敗1引分。最終戦で納谷幸男選手に敗れ優勝決定戦に進出できませんでした。
樋口:これまで納谷はどことなく自信なさげにリングに上がっていた。しかし、ここ1年精神面で大きく成長。その勢いに敗れた気がします。納谷に関してはリベンジしないといけない。
――12.27 TDCホールでD王GP2022覇者の上野勇希選手と対戦。DNA対決でした。
樋口:感慨深いものしかなかった。上野はDDT UNIVERSAL王者でD王GP2022優勝。正直、後輩の上野や吉村に先輩として教えることは何もない。
だから「上野というレスラーと樋口というレスラーの純粋な勝負」だと言い聞かせた。でもやっぱり同じ釜の飯を食った「DNA出身」というのがあり、思い入れのある試合になりました。
――僕は1年を締めるDDT最後の試合がこの試合で良かったと思います。上野選手がレスラーとしてのスタート地点である「DNA」の先輩・樋口選手と戦うことで感情を爆発させることができた気がします。
樋口:たしかにそうかもしれないですね。上野はなかなか感情を出すことが少ない選手ですから。
――ここまでいろいろ話を伺ってきましたが、改めて2022年振り返っていかがでしたか?
樋口:盆と正月が一気に来たような(笑)。特に7月以降は人生で1番密度が濃かった半年間、夢と現実を行ったり来たりしてましたね。
――寝る時、枕元にKO-D無差別級のベルトを置いて寝ているのですか?
樋口:流石にそれはないです(笑)。