■伊佐勉ヘッドコーチが創り上げる”結”のバスケ
そして今シーズン、7年目のシーズンを迎えた。ここまでSR渋谷一筋6年、新リーグの発足や天皇杯優勝、そして今シーズンから運営母体がセガサミーホールディングスに変わるなど、さまざまな変化を経験してきた。
ここまでの6年、サンロッカーズのバスケはどのように醸成されてきたのか、フランチャイズプレイヤーだからこそ分かる視点で尋ねてみた。
「ムーさん(伊佐HC)になって、サンロッカーズのバスケはディフェンスが特徴となりました。ディフェンスはチーム全員で行うものなので、ローテーションやチームワークで失点を抑える。
この約4年間”結(YUI)”というチームスローガンを継続していて、選手やスタッフ、そしてファンのみなさま含めたチーム全体で感じられる文化ができていると思っています」
Bリーグの選手は毎年入れ替わりが激しく、翌年も同じメンバー・チームでプレーできる保証が全くない世界。ルーキーの選手、そして移籍してきた選手もサンロッカーズのバスケをすぐに理解できる環境がここまでつくられてきた。
「ムーさんが就任して4年目になって、選手たちも同様に4年目を迎えるメンバーが増えてきました。チーム作りの段階から、方針=ディフェンスから守って走るというのを明確に示してくれています。
そのムーさんがやりたいバスケットボールを全員がしっかり理解をし、表現できる状態が常にあるので、そういった環境であることがサンロッカーズの強みですね」
■「ディフェンスのチーム」としてのバスケを展開
10月、新シーズンが開幕した。今季のバスケもSR渋谷だからこそできるバスケを披露したいと考えている。
「ディフェンスのチームですので、失点を少なくする試合展開で進めたいです。ディフェンスを激しく行けばスティールや攻撃回数も増えますが、その分相手の攻撃も多くなるリスクもあります。そこをうまく抑えていきたいですね」
ホームアリーナである青山記念会館も観客と選手の距離が近く、臨場感溢れるとともに、チームカラーのイエローで染まったファンが選手の力となっている。
「アリーナも選手にすごく近い距離でバスケットを見ることができるので、ファンの皆さんの熱量もすごく伝わるものがあります。一つ一つのプレーですごく盛り上がりますし、試合終盤で接戦になった時は思わず声が出てくるようなプレーがあったり、アリーナが揺れるような感じがあってとても力になっています」
インタビューの最後、改めて今シーズンの目標を語ってもらった。
「Bリーグ優勝もしたいですし、ベストファイブ・そしてMVPを獲りたい想いが僕の中であります。毎年目標をMVPに設定しているので、ベストファイブに入りたいです」
SR渋谷は27日現在、中地区3位と上位を争っている。激闘のフィナーレとしてSR渋谷が頂点に立った時、トロフィーを掲げるベンドラメ選手の姿をファンは楽しみに待っている。
(おわり)