ブラッドショーはスタン・ハンセンを尊敬するカウボーイは団体内では武闘派として知られていた。バックステージで問題行動を起こした選手の制裁役だったという。
193㎝、120㎏のバート、198㎝、130㎏のブラッドショー。二人の巨漢による決勝戦は迫力満点の闘いとなった。
試合開始のゴングが鳴ると。互いに左ジャブで牽制する。先に前に出るのはバート。左右のフックを打ち込むとブラッドショーも応戦する。
ブラッドショーの右ストレートが炸裂するが、バートが右フックからの左フックでダウンを奪う。8カウントでブラッドショーが立ち上がるも、そこからバートが左フックから右フックでブラッドショーがノックダウン。前のめりに倒れたブラッドショーは立ち上がることはできず、バートのKO勝ちとなり、優勝を飾った。
この格闘技トーナメント「BrawlforAll」だが、観客には「プロレスが見たい」「退屈だ」と不評だった。その一方でレスラーにはモニター前でトーナメントを観戦して「やっちまえ!」と盛り上がって好評だったらしい。だがトーナメントに参加した出演者からは怪我人が続出した賛否両論の企画となった。
格闘技トーナメント「BrawlforAll」は団体にとっては黒歴史かもしれない。だがWWEオーナーのビンス・マクマホンはこの企画以前の1994年にUFCが誕生したことにインスパイアされ、WMF(ワールド・マーシャルアーツ・フェデレーション/世界格闘技連盟)という格闘技団体を誕生させようと計画していたというエピソードがある。そう考えるとこの格闘技トーナメントが生まれたのはもしかしたら必然だったのか!?
ジャスト日本
プロレスやエンタメを中心にさまざまなジャンルの記事を執筆。2019年からなんば紅鶴にてひとり語りイベント「プロレストーキング・ブルース」を開催するほか、ブログやnoteなどで情報発信を続ける。
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著書
『俺達が愛するプロレスラー劇場Vol.1』(ごきげんビジネス出版/電子書籍)
『俺達が愛するプロレスラー劇場Vol.2』(ごきげんビジネス出版/電子書籍)
『俺達のプロレスヒストリー~団体の歴史編~』(スターアップ出版/電子書籍)
『インディペンデント・ブルース』(彩図社/単行本)