「他の選手を見に来ていても僕を見てください」という姿勢
グラウンド内外で独立リーグをさらに盛り上げるための工夫を率先して行っている久保。では、今NPBを目指し、独立リーグでプレーしている選手たちにとって何が必要なのか。同じ選手としてプレーする立場を踏まえ聞いてみた。
「少なくとも技術的にはNPBにいる選手の方が優れているということですよね?これを踏まえると、技術だけではなく後はやる気。『自分はどんなことをしてでもNPBに行きたい!』っていう選手がどれだけいるかです。
技術をどうカバーをするのかとなると、あとはガツガツする気持ち。つまり、『チャンスが少しでもあれば僕はどんなことをしてでも入りますよ』という気持ちだと思うんです」
NPBでプレーしている選手と同じ姿勢でいてもドラフトにはかからない。自身も13年NPBでプレーしていたからこそ、その違いを肌で感じている。
「選手にもよく話してるんですよ。スカウトの方が来ていたら、『恥ずかしいとか、自分なんてとか思わずに自分をアピールしろ』と。
『僕プロに行きたいので、他の選手を見に来ているかもしれないけども僕を見てください!背番号は何番です!』って言う位じゃないと。技術が足りないのに何でカバーするんだって話なんです」
スカウトがどんなところを見ているのか、NPB出身である久保はそこも熟知している。そういった点も選手に伝えているという。
「スカウトはそういう姿勢も見ています。技術は今は足りないけど、『この選手だったら、今のハングリーさをNPBの環境に持って行ったらどんどん吸収してくんじゃないか』と可能性を見出すんです」
10月20日にドラフト会議を迎える。今シーズン主将を務めた柏木寿志(かずゆき)も、この日のためにアピールを重ねてきた。今後ブレイバーズをはじめ、独立リーグからNPBに入るために必要な金言であった。
久保はブレイバーズでの入団会見で「また海外に目を向けている」と語った通り、今後海外でプレーするタイミングを模索している。
今ブレイバーズでプレーする選手にとって久保と過ごしてきた時間は貴重なものになり、チームにとっても今後手放せないバイブルとなる。
<終わり>