3年目で挑戦した新たな取り組み
叶わなかった22年からのNPB入り。指名されなかった時の心境を察しながらも尋ねてみた。
「あの時はもうやり切ったというか、『ここまでやってダメならもっと自分のレベルを上げなければいけない』と真摯に受け止められる自分がいました。もちろん悔しかったですが、すぐに”次頑張ろう”という気持ちになりました」
2022年は”3度目の正直”を成し遂げるための1年として迎えた。打撃面においては、大きく数字を伸ばしたが、特に打率は決して満足はしていなかった。
1日最低2000スイングのノルマを自身に課し、テーピングを巻きながらも振り続けた。今シーズンは45試合で打率.267と微増ではあるが、40試合の時点で.288をマークするなど、努力の成果は徐々に表れつつあった。
また、3年目で新たに取り組んだのが二塁手への挑戦。ここまで触れてこなかったが、柏木は守備に最も自信を持っている。遊撃として、フットワークを活かした動きと強肩でチームのピンチを幾度となく救ってきた。
そんな中挑戦した二塁のポジション。どんなきっかけがあったのか。
「今年の後半戦ぐらいからずっとセカンドで出るようになりました。独立リーグ選抜の時など、1つのポジションだと同じくアピールしないといけない選手もいるので途中で交代しないといけません。
そうなると自分としては、アピールする機会も減ってしまいます。なので複数守れた方が試合に出続けられる可能性も上がるので、よりアピールの場を増やすために挑戦することにしました」
一見して”動きが逆になるだけ”と考える方もいるかもしれない。ただ、その動きをマスターするためには身体も頭も使い、時間も必要となる。柏木も当初は戸惑いながらも一つ一つ吸収していった。
「ショートでしたら今までずっと守っているので、無意識に動けていたのですが、セカンドだと守ったことがないので考えながら動かないといけないです。すごく試合中に考える部分が増えました。ポジショニングであったりカットに入る場所など、野球をもっと深く知れたと思います」