飛躍を遂げた2年目のシーズン
多くの壁に直面した1年目だったが、NPBへの目標は決して揺らぐことはなかった。柏木にとってこの1年は”想定内”であったからだ。
「僕は入団が決まった時から”絶対にNPBに入るぞ”という目標を持ちながら2年計画を立てていました。1年目は準備期間と言いますか、2年目にしっかりとアピールできる意識で取り組んでいました。なので、シーズン中に打撃フォームを変えたりなど、いろんなことを試した時期が1年目でした」
そう語り迎えた2年目は目標に向けた勝負の年。柏木は前年の経験を踏まえテーマを設定し、シーズン通してやり通すと決めて臨んだ。
年間通じて取り組んだこととは何であったのか。
「技術面では僕は右バッターなのですが、スイング時の体の使い方、特に肘の使い方を意識して練習に取り組むようにしていました。
金属バットでしたら多少遠回りしても打球は飛びますが、木製では全く飛ばないので、主に右肘の使い方を重点に置きました」
結果は数字として確かに表れた。45試合に出場して打率.263、安打数も前年の20本から47本と2倍以上になった。そして盗塁は33を記録しリーグ盗塁王に輝く。走塁面でも持ち味の一つであるアグレッシブさが大いに発揮された。