多くの変化に直面した独立リーグ1年目
高校卒業時には叶わなかったNPB入りを目標に定め、柏木は独立リーグの門を叩いた。
しかし、1年目(20年)はさまざまな苦労に直面することになる。特に打撃については高校時代は金属バットだったこともあり、木製バットに適応しなければならなかった。
また、ブレイバーズの選手はアルバイトで生計を立てている。長崎から兵庫へと移り、環境の変化にも合わせる必要があった。
「打撃については具体的な技術というのがなく、自分の身体能力だけでやっていた部分がありました。木製バットに変わってから、いろいろ考えさせられるものが多かったです。金属と同じ感覚で最初は打っていたので、ボールは飛ばないですし、独立リーグもレベルは高いので1年目は苦しい状況でやっていました」
その言葉通り、1年目は27試合で打率.186と課題を残した。しかし、翌年の飛躍に向けた種は確実に撒かれていた。
9月に行われた巨人(三軍)との試合に向け、柏木は関西独立リーグ選抜のメンバーに選ばれた。そこで選抜チームを率い、かつ同じリーグの堺シュライクス監督でもある大西宏明(元近鉄ほか)から打撃のアドバイスを受けていた。
「今まで”詰まりたくない”意識が強く、コンパクトに行こうと考え過ぎてスイングが小さくなっていました。少しの時間だったのですが、大西さんからは『小さく構えんともっと大きく!可能性があるんだから、もっと大きく構えて大きくタイミングをとっていいんだよ』と言っていただいて、そこから変わりました」
すぐに数字には表れなかったが、「自分の中で腑に落ちた瞬間でしたし、それを信じてやった結果自ずと良くなっていた感覚はありました」
と語るなど、翌年に向けて確かな手応えを掴んで1年目のシーズンを終えた。