元ロッテ・黒木知宏 “魂のピッチング”の原点とエースの自覚「チームのために身を粉に、骨が砕けても投げ切る」

■2001年、好調の裏で悲鳴を上げた右肩

前年の悔しさを持って臨んだ01年のシーズン、黒木は3年連続開幕マウンドに立つ。松坂との投げ合いを制し”21世紀初の勝利投手”となると、前年とは打って変わり開幕から連勝を重ね、9連勝まで伸ばした。

しかしこの間、長く苦しめられることになる右肩の違和感が忍び寄ってきていた。

「この年の6月くらいから違和感が出始めました。金田(正一)さんから『気をつけろよ。肩そろそろやるぞ。足に粘りがないぞ』とちょうど言われてすぐだったんです。偉大な方はしっかり見てるんだなと改めて思いましたね…」

01年、肩の痛みは徐々に黒木を襲った

その違和感は1球投げた際に切れたのではなく、徐々に来るものであったためなおさら苦しめるものとなった。

「プチっと来たならすぐ(投球を)やめられるんですけれども徐々になので、少々痛くてもバッターが目の前にいると投げれてしまうんです。調子も良かったですから」

連勝が止まっても投げ続け、前半戦だけで11勝を挙げた。オールスターのファン投票でも1位で選出され、第1戦の先発投手も務めた。しかし、右肩はついに悲鳴を上げ、7月27日のオリックス戦を最後に背番号54はマウンドから約3年近く姿を消すことになる。
(つづく)

▼プロ野球OBクラブ公式YouTubeチャンネルでは黒木氏出演回公開中(全4回)▼

(取材協力:日本プロ野球OBクラブ、写真 / 文:白石怜平 ※以降、敬称略)

1 2 3 4

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

Share me!
  • URLをコピーしました!
目次