元プロ野球選手 喜田剛 「野球から離れた時は抜け殻状態に」アンダーアーマーでの再起とこれまでの道のり

■競技の枠を超え、バスケットボール担当に

2019年からは、現場担当の域を超えてマーケティング全般のブランドマーケティングを担う部署に異動、翌20年からは野球に加えてバスケットボールも担当範囲となった。

この時期は、米アンダーアーマー契約選手で、NBAでレギュラーシーズン歴代最多の3Pシュート成功数を誇るステフィン・カリー(ゴールデンステート・ウォリアーズ)が手掛ける「カリーブランド」のローンチのタイミングでもあった。

「バスケはやったことがなかったので最初は大変でした。スラムダンクを1巻から全部読むところから始めました。最初の仕事がカリーブランドのローンチという大役だったので、これから創るカリーブランドとは何か・そしてカリー選手本人の想いなども勉強しましたね」

他にも、社内のバスケ担当と共にBリーグの試合に視察へ何度も足を運んだ。現地で人脈を増やすために名刺を配ったりなどできることを少しずつ積み重ねていった。

約1年半ほど経験する中で理解を深め、現在はプロデューサーの立場として球団と共同のイベントを企画するなど、相互の信頼関係を厚く築いている。

上で触れた「アンダーアーマー キッズデー」も、喜田が発案した子どもたちに向けた体験型イベントである。

小学生の親子を当日招待し、観戦のほかに試合運営の仕事に挑戦したり、試合後に選手へのインタビューを行う企画。

4月に行ったアンダーアーマーキッズデーも喜田の発案で実現した。

カリーの想いである「世界中の若者たちが平等にスポーツを楽しむ機会を創出する」を日本でも実現させるために、「子どもたちに何か特別な体験を提供できないか」とブレックスへアイデアを出したことがきっかけだった。

その提案や想いは球団も共感し、約3ヶ月という期間で実現することができた。

当日参加した子どもたちは、初対面でも友だちになるほど打ち解け、「どうやって場内演出がされているのか勉強になりました」と語るなど、発見と思い出に残る1日となった。

「参加してくれる子どもたちにとって特別な思い出になることは大前提です。ブランドとしての取り組みをより多くの方に知っていただきたいですし、さまざまな側面からスポーツを好きになって、プレーする子どもたちが増えてほしいと願っています」

喜田の担当は競技関連だけではない。プロモーション関連においても「それぞれ本気で取り組んでいます」と強く語るものがある。
(つづく)

(取材協力:アンダーアーマー、写真 / 文:白石怜平 ※以降、敬称略)

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