7.3後楽園にてKING OF DDT 2022の覇者が誕生。同時に遠藤哲哉が返上したKO-D無差別級のベルトがその腰に巻かれる。それを虎視眈々と狙うのが、これまで2回戦以上勝ち上がることがなかった吉村直巳だ。吉村は1回戦クリス・ブルックス、2回戦をタッグパートナーのHARASHIMAを破り準決勝進出。この大会に向けた思いを聞いた。
――前回取材させて頂いたのが昨年10月。その直後HARASHIMA選手とKO-Dタッグ王座を奪取、吉村選手自身2度目の戴冠でした。最初は上野勇希選手と組みノーチラスとして戴冠。この意味合いは違いますか?
吉村:同期の上野さんとは一緒に暴れまくって「これからDDTの中心に行こうぜ」という目標がありました。
【DDTプロレス 吉村直巳(1)】HARASHIMAさんとベルトを巻くことに意味がある
HARASHIMAさんはDDTの象徴です。最近は、宮本裕向さんやプロレスリング・ノアの丸藤正道さん、大日本プロレスの岡林裕二さんと他団体の選手をパートナーにKO-Dタッグを巻いている姿が印象に残っているし、誰とでも合わせられる。
HARASHIMAさんと僕は同じ団体のベテランと若手、同じユニットDISASTER BOXのリーダーと1番最後に加入した若手選手です。その存在感あるHARASHIMAさんとタッグを組み、「僕は何を残せるのか?」がテーマになりました。
【DDTプロレス・上野勇希】吉村直巳とKO-Dタッグ防衛戦に挑む上野勇希が、抱負を語る
――上野選手とタッグを組んでいる時とファイトスタイルは変わりましたか?
吉村:ファイトスタイルは変わりません。ただ最初の頃、僕とHARASHIMAさんは考えが合わなかった。
竹下幸之介や遠藤哲哉さんが「俺たちの時代だ」と口にしますが、僕は「HARASHIMAさんを舐めるなよ」と。それは男色ディーノさんや坂口征夫さんにも言えることで、僕は時代を作った先人たちを軽視することはできないと思っています。
僕たちが存在するのはキチンと時代を築き上げてくれた人たちがいるからだという気持ちがある。その人と組むからには自分がドンドン力を付けて上に行かなければいけない、と思っていました。でもHARASHIMAさんには後輩である僕のことを「育てなければ」という気持ちがあった。
僕は試合の時、HARASHIMAさんに前に出て活躍して欲しかったけど、HARASHIMAさんは僕に前に出て欲しかった。そこに若干のズレがありましたね。