――まなせさんは純粋にファンから応援されたかったのですね。
まなせ:はい、残念ながら試合には負けてしまったけど、最後に今成さんがマイクで「煽りVTRが好きで私も作ってもらいたい」という私のツイートを見ていてくれてたと。
今成さんはDDTの映像班で煽りVTRも作成します。煽りVTRはメインイベントであったり試合にテーマがあったり選ばれた選手のみ作られるもの。でも私は東京女子では選ばれなかった。今成さんは「ぽっちゃり女子でまなせゆうなに煽りVTRを作ってやりたかった。だから試合前にまなせさんの映像をTwitterであげた」と。あんなに試合前嫌いだった人が、私のことをすごく見てて考えてくれたんです。
――「ぽちゃ女」を経験することで、また違った感情が芽生えたんですね。
まなせ:「もう1回プロレスを頑張りたい」と思いました。ただぽちゃ女の試合後、東京女子後楽園大会の私の試合を見た今成さんから「ぽちゃ女やったよね?あれどういうことだったか分かる?」と怒られました。映像班の今成さんは、これまでの私の試合をレンズ越しに見ててくれました。私がぽちゃ女でやった「ガムシャラな戦い」を東京女子のリング上でしなかった、と今成さんは感じていました。
それで改めて「ぽちゃ女で戦った気持ちを東京女子のリングで出さないとダメだ」と思いましたね。これが第6回東京プリンセスカップ前。正直なところ東京女子での自分の立ち位置に迷っていました。私がしっかりとした試合をできていないので東京女子のためにもなっていない。最後の最後に「東京女子らしい戦いではなく、『まなせゆうな』らしい試合をしてみよう」と。
それでプリンセスカップ前、呪いのように「私はこの大会に賭けている」とブログやTwitterに書きまくって、自分を言い訳できないように追い込みました。私のプロレス人生はケガが多くネガティブなことを考える時間が多かった。でもそんな内から滲み出てくるマイナスの声を全て無視し「私が東京女子でテッペンを獲るんだ。存在意義を示してやる」と思いました。
<(3)につづく>
<インフォメーション>
6.12さいたまスーパーアリーナ「CYBER FIGHT FESTIVAL 2022」にて坂口征夫・赤井沙希・岡谷秀樹vs大家健・まなせゆうな・渡瀬瑞基が行われます。
また7.10大田区総合体育館でガンバレ☆プロレス最大のイベント「WRESTLE SEKIGAHARA」にて、まなせゆうなvsウナギ・サヤカ(スターダム所属)が行われます。詳細はDDTプロレスリング公式サイトをご覧ください!
試合は動画配信サービスWRESTLE UNIVERSEで配信されます。
まなせゆうな Twitter
ガンバレ☆プロレス Twitter
DDTプロレスリング Twitter
取材・文・編集/大楽聡詞
写真提供/DDTプロレスリング