【レーシングドライバー 伊藤慎之典 後編】地元いわきでモータースポーツを拡めたい

■海外レースに参加

伊藤:実は大学1,2年の時、レーシングカートの本場イタリアに参加しました。メチャクチャ衝撃を受けましたね。

――本場の空気に触れてみていかがでしたか?

伊藤:単純に「すげぇ〜〜」と思いました(笑)。正直、海外のコースも走ったことがないし、レベルも分からない。ドライバーとしてガムシャラにレースを参加しました。でも「楽しい」という気持ちが何よりも大きかったです。

――それは何が楽しかったのですか?

伊藤:僕を含めて日本人3人がエントリーしていました。日本語が通じるエリアもありますが、その場所を一歩離れると周囲から英語やイタリア語、今まで聞いたことがない言葉が聞こえてくる。世界中からレースのために人々が集まっているんです。参加したのは1レースのみですが、その環境にいることが単純に楽しかったですね。

イタリア滞在期間は1週間。時差ボケを解消するため、少し早めに現地入りしレース2日前の火曜日から練習。レースは木曜日に始まり土曜日に終わりました。

――イタリアでレースに参加してみていかがでしたか?

伊藤:参加した世界選手権は、本当に世界のトップクラスが出場しているレースでした。言葉で表現するのは難しいけど「なぜ同じことをしているのに、あなた達はそんなに早いの?」と(苦笑)。

――具体的な違いはなんだと思いますか?

伊藤:全てが違いました。全部のレベルが1ステージも2ステージも上でしたね。「なんとか1人抜いてやる」と思いましたが、結果的に抜けなかった(苦笑)。レース中は周りの車を抜くことに集中しています。だからトップ集団が見えない。でもレース後、その時の動画を見るとトップ集団と後方集団が明らかに離れすぎていました。イタリアには大学1,2年で1回ずつ、計2回行きました。

――イタリアに行ってみて変化はありましたか?

伊藤:実は「海外のレースに参加したら何かが変わるから行ったほうが良い」とある方からアドバイスを頂いていたんです。大学1年、初めてのイタリア遠征から帰国して最初のレースが鈴鹿で行われた全日本カート選手権。公式練習が2回あり、どちらもトップタイムを出しました。

正直なところ、自分の中で「何かが変わった」感覚はありません。ただ結果が少し付いてきた気がします。その後大学3年生の時、4輪レースに乗り始めました。

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