そして最大の見せ場は”現役最終打席”となる5回裏にやってくる。表に5点を失い6−7と逆転を許した中、1死1塁で迎えた4打席目。神奈川の川村丈夫監督がベンチを出て投手交代を告げた。
ここでマウンドに上がったのは乾真大(元日本ハム・巨人)。NPB在籍時に対戦経験もある両者。BCリーグで再戦が実現した。
「乾がきてくれて嬉しかったです。昔対戦もしているし懐かしい感じもあったので。川村監督には感謝です」
懐かしさが入り混じった最終打席、ここでも初球外角ストレートを振り抜いた。打球は快音を響かせ左中間へ大きく伸びていく。中堅の頭上を超えワンバウンドでフェンスに届き2塁打に。1塁走者が本塁へ還り値千金の同点打となった。ここで代走が出て交代となり、役目を果たした。
試合はこの回終了後に降雨コールドで引き分けに。G.G.佐藤はこの日4打数3安打1打点とチームに大きく貢献した。この4打席は全て初球から振りに行った。
「仕留める時に仕留めておかないと、追い込まれるときついので。プロの時もそうだったので今回も本気で行きました」とその意図を試合後に明かしていた。
<後編の「引退セレモニー」に続く>
取材協力:埼玉武蔵ヒートベアーズ
写真 / 文:白石怜平、以降一部除き敬称略