――両手を必死に回す動作は日常でしたことないので楽しかったです。昔の自動車の手動ウィンドウハンドルを思い出しました。あれを両手でぐるぐる回す感覚です(笑)。
尾野藤:なるほど、人それぞれ似たような感覚があるのかもしれないですね(笑)。
――そういえばカヌー選手がエルゴメーターで練習している姿をインスタグラムで見る機会が多いです。
尾野藤:陸上でカヌーと全く同じ動きができるのがエルゴメーターです。ですから鍛えたい部分に、よりフォーカスできる。自分の漕いでいる強度・速度・ピッチも全て見えます。水上だと風が吹いて速度や出力が変わります。自分の中で出しているつもりでも出ていないことがある。そういった意味で自分の状態を可視化して練習するのにエルゴメーターは向いています。
また初めてカヌーに乗る方にもカヌーの動作を覚えるのに良いんですよ。水上だとカヌーに乗ること自体難しいので。
――競技用カヌーは幅が約30cm、漕がずに水上でバランスを取るだけで3ヶ月かかる、とカヌー選手に教えて頂きました(苦笑)。ところで今後、コロナが落ち着いたらエルゴ選手権大会は現地開催を予定しているのでしょうか?
尾野藤:その方向で実施したいと考えています。ただアフターコロナになっても、どこか一つの場所に集まるのは難しいとなると「オンライン」という選択肢も残しておこうと思います。
――関東で開催する際に北海道から来るのはなかなか難しい。そこでオンラインで参加する選択もあるとエルゴ選手権大会への参加者が増える可能性もありますよね。
尾野藤:予選をオンラインで行い、上位の記録を出した人を「招待選手」としてイベント会場に来ていただくとか。未来を見据えイベントとして「エルゴ選手権大会」をより成熟させたものにしていきたいですね。
<おわり>
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尾野藤直樹/オノトウ ナオキ 愛知県出身
一般社団法人カヌーホーム 代表理事
日本オリンピック委員会 専任コーチングディレクター
高校でカヌー部に入部して以来、カヌーの魅力にはまり、高校・大学・社会人とカヌー漬けの毎日を送る。大正大学在学時には全日本チャンピオンになり、その後出場した国内のレースでは4年間負けなし。男子カヌースプリント競技の第一人者としてナショナルチームを牽引し、引退後は指導者へ転向。国立スポーツ科学センターでのスタッフ経験をもとに、科学的な知見に基づいた指導を行っている。カヌースプリントジュニアのヘッドコーチを務める傍ら、各地域における派遣指導、ジュニアの指導者育成なども行っている。
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