――それは失礼しました(笑)。高原選手、幼い頃は空手をしていたから、なおさら感じるのかもしれませんね。ところでその高原選手と中村選手の調子はいかがでしょうか?
五十嵐:高原に関してはかなり良い状態です。12月にオーストリアとイタリアでW杯が2レース行われました。オーストリア大会で順位は5位でしたが、全体で1位のタイムを出しているんです。続くイタリア大会で上位8位入賞。
――順位が5位なのに全体で1位のタイムというのはどういうことでしょうか?
五十嵐:今、各選手の足にレース後タイムを測れる装置が入れてあります。スノーボードクロスはアルペンスキーのようにコース上、1人の競技者だけではなく複数の競技者が同時に走るので、リアルタイムに各選手のタイムを出すことが難しいんです。そこで各選手の足に小さな装置をつけ、レース後、途中の細かいタイム等が送られてきます。ですから全選手の1回戦、2回戦のタイムが分かる。そのタイムがオーストリア大会で全体の1位でした。ですから表彰台に届く競技力を持って北京に挑めると思っています。
――それは楽しみですね!男子スノーボードクロスは2月10日ですよね。女子の中村選手はいかがでしょう。
五十嵐:中村は去年2月スウェーデンの世界選手権で前十字靭帯断裂して、その後3月に再建手術。順調にリハビリしていました。ただ5月、フィジカルトレーニング中に転倒したんです。それで再断裂の可能性もあるのでトレーニングを一時中断しました。
ただ幸いなことにMRI検査の結果、断裂していないことが判明しましたがリハビリが遅れ、雪上復帰が10月末になりました。そこからスイスでトレーニングを続けていますが、結果的に今シーズンW杯に1度も出場していません。
先月オリンピック前、国内最後のメディア向け全体会見で「70%くらいの調子です」と中村は発言しましたが、フィジカルの数値はほぼ100%戻っています。