東京2020パラリンピック カヌースプリント男子VL3日本代表の今井航一選手をカヌーに導いた今井礼子さん。長年「スポーツとメンタルのコーチ」として子どもを始め、保育士、保護者、そして日本代表選手まで幅広い人に寄り添っている。第3回は家族のこと、そして今後について。
<第2回はこちら>
――今井航一選手が2018年に東京2020パラリンピックを目指すと決めた時、どう思いましたか?
今井礼子(以下 今井):私は「やった方が良いじゃない!」ですね。
――それはどうしてですか?
今井:だって面白そうじゃないですか(笑)私は小学生の時は水泳、中学生で卓球、そして高校生でカヌーをしました。いろいろなことができるって単純に面白くないですか?(笑)
「水泳だけできる」より他のスポーツもできた方が面白い。そこで「高校の時にカヌーやっていたけどやってみる?」と夫に勧めたら「やってみる」と。
――ただ目指すものがパラリンピックになると費やす時間も多いし犠牲することも多いように感じます。それを面白がれるってすごいなと。
今井:そうですかね。今年21歳の長男と18歳の次男がいるんですけど、息子達は私たち夫婦のことを「楽しそうにやっとるな〜」と見てくれているんです(笑)。
――両親の姿を、そう思えるのは家族関係が良好な証拠ですね。
今井:次男は「俺もすごく楽しい大人になりたい」と言ってますね。私はすぐに「疲れた」と言うけど、次男に「お母さんは辛そうに疲れてなさそうやもんね。楽しそうに疲れてるもんね」と言われます(笑)。