【日本障害者カヌー協会 上岡央子】水上だと障害者と健常者が同じ立場でいることができる(前編)

――選手がアスリート雇用を希望する際、資料等を作成し上岡さんがバックアップしていたのでしょうか?

上岡:「アスナビ」他にも色々と企業とアスリートの求人サイトのようなものがあります。そのサイトは選手自身がエントリーできますので、選手たちが自分で見つけてエントリーしていました。推薦状が必要な時だけ、選手からの依頼で準備しました。でも、ほとんどの選手が自分たちで今の所属先を見つけてきました。

将来、パラカヌーだけではプロという形はないしご飯を食べていけるわけではないです。選手たちも家庭があり、今まで一人の社会人として社会生活を過ごしてきた中でアスリートになっています。その生活を奪ってまで「アスリート雇用してメダルを獲りなさい」と言いません。選ぶのは選手自身です。選手の目標がメダル獲得であればもちろん私たちはそれに近づくように支援しますが、「勝つためにこうでなければならない」というものを私たちが勝手に作って押し付けてはいけないと思っています。だから選手には「自分たちで自分たちのことは決めて下さい」と言います。その代わり「選手たちのやりたいことであれば、いくらでも協会はバックアップします」と。選手たちが希望を出して、今のスタイルになっています。もちろん強化の担当は、強くなるための指導をしていくべきですが、私は競技者じゃないので…(苦笑)。

<後編に続く>

上岡 央子/ウエオカ ヒサコ

中学時代は陸上に明け暮れる日々。
その反動で高校では特定の運動部に所属せず。
京都造形芸術短期大学卒業後、23歳で独立し大阪にインポートセレクトショップをオープン。
32歳の時、母から相談され障害者福祉の仕事を週1,2回手伝う。
2016年11月 日本障害者カヌー協会の法人化準備のため上京。
2017年4月 一般社団法人日本障害者カヌー協会設立。

一般社団法人日本障害者カヌー協会WEBサイト
一般社団法人日本障害者カヌー協会 Twitter

取材・文/大楽 聡詞
写真提供/(一社)日本障害者カヌー協会

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