――カヌー競技を通じて伝えたいことはありますか?
加治:「覚悟を持って夢に取り組めば必ず叶えることができる」、自分にとってパラリンピックは雲の上の存在でした。
――覚悟して一歩踏み出したからこそパラリンピックに出場することが出来たのですね。
加治:本当に退路を断つことによって叶えることができました。前の仕事を辞めて転職し、家族に理解し協力してもらいました。パラリンピック前は会社に「練習に集中したい」と申し出て快く受け入れてもらえました。競技に集中するため、環境を整えていくことは大事だと思います。家族や会社の方々、そして支えて下さる全ての人の協力があったからこそ今の自分があります。
あと「練習をやっている、やっている」と言いながら、やっていない時があり自分に言い訳が増えていった時期がありました。その言い訳がなくなった時から自分が変われたと思いますね。
――今後の目標を教えて下さい。
加治:まずは体調を戻してパリパラリンピックを目指し、そこでメダルを獲得することです。東京でのリベンジを果たしたいと思います。
――最後にこの記事を読んでいる方にメッセージをお願いします。
加治:自分が自分らしく生きられる方向を見つけることは大切だと思います。私の場合、それがパラカヌーでした。パラカヌーに出会ったことで多くの人に応援してもらえました。パリでは東京大会の悔しさをリベンジする姿を皆さんにお見せできるように頑張ります。
<終わり>
加治良美/カジ ヨシミ 愛知県名古屋出身
ネッツトヨタ名古屋株式会社 所属 / 岐阜県カヌー協会パラカヌー部 所属16歳で車いすマラソンに出会い競技に打ち込む。
2014年 カヌー関係者に誘われカヌー競技を始める。
2020年 女子KL3日本選手権優勝。
2021年 世界最終予選を兼ねたパラカヌーW杯、女子カヤックシングル(KL3)で6位入賞。東京パラリンピックカヌー内定選手となる。
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所属:ネッツトヨタ名古屋 WEBサイト
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取材・文/大楽 聡詞
写真提供/日本障害者カヌー協会