――僕は最近の曲より学生時代に聴いていた曲ばかり今でも聴きますが、常にアンテナを張り新しい曲を聴く加治選手の感覚って素晴らしいですね。

加治:ちょっと前まではサザンとかミスチル、ポルノグラフィティと自分の中での定番ソングばかり聴いていました。すごくカラオケが好きでコロナの自粛期間中にカラオケアプリを始めたのです。そのアプリは交流することができて他の人の歌も聴くことも可能です。人の歌を聴くうちに「この歌を歌ってみようかな?」と歌う曲のレパートリーが増えていきました(笑)。

――アプリ内で他の方々と歌った曲を共有するのですか?

加治:そうです、自分で歌った歌を録音。公開するかしないか選択できます。公開すると聴いた人の数やコメントがつきます。それが楽しみでアップしています。ただ他の選手やコーチ・トレーナーが、私がカラオケアプリを使っているのを知り、ウエイトトレーニングしている最中にスピーカーから私の歌を大音量で流されました(苦笑)。めちゃくちゃイジられています(笑)。

――周りから愛されている証拠じゃないですか。

加治:自分の歌声を聴きながらトレーニングは出来ないので止めて欲しいのですが…(苦笑)。

――さきほど息子さんの話が出ましたが、支えてくれる家族の存在は大きいですか?

加治:私は合宿や大会で家を空けることが多いです。息子は小学3年生、送り迎え・食事や学校の準備等など夫や同居している義父や義母の存在は大きいですね。なかなか言えませんが感謝しています。

――息子さんは加治選手のことをどのように思っていますか?

加治:「順位が大切ではない、1位や2位じゃなくても頑張ればいい。」と大人みたいなことを言ってくれます(苦笑)。でも小学校に入る前から合宿等で一緒にいることが少ないのでカヌーをネガティブに捉えているかもしれません。だから海外の大会やパラリンピックでメダルを獲得する姿を息子に見せてあげたいと思っています。

――息子さんや家族が喜ぶと思います。ところで加治選手はこれまでカヌー競技をして楽しかったことは何でしょうか?

加治:元々、車いすマラソンをしていましたが、その時とは違った仲間と出会えたこと。あとパラカヌーは日本で歴史が浅いので、このパラスポーツを盛り上げる一員になれたことですね。

――車いすマラソン競技も経験した加治選手にとって「カヌーの魅力」はなんですか?

加治:季節によって全く違う景色を楽しむことができるし、これだけ自然の中で水に近いスポーツは他にないと思います。カヌーに乗れば障害があることを忘れてしまいます。それで競い合うこともできる。各会場によって周りの風景を楽しめる要素もありますね。

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