――確かに!大矢さんは元・新日本プロレスですからね。
マンモス:ずっと基礎体力練習をやって、そこからスパーリングですよね。
――確か以前、単行本「インディペンデント・ブルース」の取材でマンモス選手にお伺いした時にロープワークが新日本式、受け身が全日本式、基礎体力練習が自分には向いていると感じたという話をしていただいたのですが、ロープワークの新日本式、全日本式について教えていただいてよろしいですか?
マンモス:新日本式ロープワークは、ロープを切れるのを想定しながらもトップロープを横に握って引く反動も使って早く走り出すんです。
全日本式ロープワークは、トップロープを手のひらで押さえ込む様にかけてしっかり飛び込んで走るんですよ。だから受けのロープワークなんです。
――試合のリズムでも全日本の方が新日本より少しゆっくりした印象がありますが、それはロープワークにも現れているんですね。では受け身の新日本式と全日本式の違いはどうなのですか?
マンモス:全日本は「バーン」としっかり受けるという感じですね。首が強い感じの受け身なんですよ。大矢さんがやってた新日本式受け身はとにかく速いんです。
田中さんや中川さんは元・全日本のターザン後藤さんから教わっていて、自分は全日本式の方が合ってましたね。
――ちなみにマンモス選手にプロレスを教えた中川さんを相手にしたデビュー戦はいかがでしたか?
マンモス:田中さんは「デビュー戦はよくやってたよ」と褒めてくれたんですよ。デビュー戦が決まると何月何日だよと言われるのではなくて、次のシリーズにコスチュームを作っておけよと言われるんです。
当時マッチメーカーだった伊藤豪さんに「どんなコスチュームを作ったらいいんですか?」と聞くと「お前はベイダーだ」と言われて。
ベイダーさんのコスチュームを作っているシマスポーツでコスチュームを作ってもらって、その費用が十何万の費用かかって(笑)。
――デビュー戦であんなコスチュームを着たレスラーは少ないと思いますよ。確か「皇帝力士」という異名がありましたもんね。
マンモス:地方大会にいくと「ベイダーのファンがプロレスやってるんだ」ってファンに言われたんですよ(笑)。あれは恥ずかしかったです。ベイダーファンの新人なんてなかなかいないじゃないですか。
でも試合は安田忠夫さんみたいなムーブをやらされて。コーナーへの串刺しボディーアタックからダブルアーム・スープレックスとかやりましたけど。