――それは目立ちますね(笑)。ちなみにマンモス選手は大仁田さんに憧れていたそうですが、どの辺りに憧れたのですか?
マンモス:この前、FMW-Eの保坂秀樹さん追悼試合(2021年9月12日 FMW-E 神奈川・鶴見爆破アリーナ大会)に呼んでもらって大仁田さんの試合を見たのですが、当時の全盛期のままなんですよ。
素直に感動してしまう。週刊プロレスとかで、神通力というワードで大仁田さんについて表現していますが、その通りですよ。
――やっぱり大仁田さんは不思議な人ですね。
マンモス:かといって、大仁田さんから「暇だから控室に来いよ」と呼ばれて、話をしているといきなりマット・トレモント(大仁田に憧れてプロレスラーとなったアメリカのハードコア戦士)のことを語り出したり(笑)。
大仁田さんは死ぬまで大仁田厚なんでしょうね。
――そうですね。ずっと大仁田さんは大仁田厚という生き方を続けていくのだと思いますね。マンモス選手は、角界を去った後に1997年3月にFMWに入門し、同年12月8日愛知県・岡崎市体育館大会での対中川浩二戦で本名の佐々木嘉則でプロレスデビューしています。
マンモス選手はプロレスラーになると決意した段階でFMW以外の選択肢はなかったのですか?
マンモス:FMW以外はなかったです。FMWは二回目のテストで合格したんです。1996年の夏に、まだ角界にいた時に入門テストを受けて、右ヒザ前十字と内側靭帯の手術してボルトが入った状態でコンディションはよくなかったんです。
試験官だったハヤブサさんから「ヒザを直して諦めきれなかったらまたテストを受けに来てよ」と言われまして、その年の暮れにボルト除去して、黙々と大阪に戻って基礎体力練習をやって、入門テストを受けて合格したんです。
――ちなみに入門テストのメニューはどのような内容だったのですか?
マンモス:スクワットが500回、腕立て伏せと腹筋が200回、ブリッジ3分、反復横跳び1分、あと自己アピールですね。僕が合格した1997年3月の入門テストでは山崎直彦と高橋冬樹(後にIWAジャパンでデビューし、ゼロワンで再デビューしている)も合格してますね。
――ちなみにFMWの練習はいかがでしたか?
マンモス:ヒザを怪我してから入っているのでスクワットがきつかったですね。最初に準備運動で全員でスクワット300回やって、そのあと新弟子はさらにスクワット1000回。
中川浩二さんとかは「無理しなくていいよ」と言ってくれたんですけど、気持ちを見せないといけないと思いまして、そこは我慢して、ヒザが「パキパキ」と音が鳴りながらスクワットやってましたね。
――よくスクワットでも、座り込むようにやるスクワットと、ヒザを90度程度曲げるハーフスクワットがあると思うんですが、マンモス選手がやっていたスクワットはどのようなものだったんですか?
マンモス:90度より少し曲げる感じで、腿に効くスクワットでした。ちゃんとヒザ下までしゃがむタイプでしたね。
道場では田中将斗さんや中川浩二さんに指導していただいたのですが、巡業にいくと大矢剛功さんに教えてもらいました。大矢さんの基礎体力練習が凄いんですよ(笑)。