――それは次のパリまで準備期間が3年しかないからでしょうか?それとも期間とかの問題ではなく小松選手の気持ちがパリに向かっているからですか?
小松:やっぱり(気持ち的に)スタートを切っているところはあると思います。メダルに対しての意識は東京パラの時よりもすごく強いですし、しっかり練習ができる分、意識が強くなるので、そういう意味でもさらに緊張感が高まっているのかなと思います。
今後はパリの代表枠を獲得するために国際大会の「出場権」を取らなければなりません。まずは国内の大会の選考会で海外の派遣選手に選ばれるところが重要だと思います。
成長するための近道自体はない。でも唯一人間に平等に与えられているのは24時間です。その時間の使い方によっては人よりも速く辿り着くことは可能なのかなとは思いますね。
――小松選手のWebサイトやYouTube「小松沙季 パラカヌーへの挑戦」を見て、パラカヌーに挑戦し努力している姿を追うことができ、僕はパラカヌーの日本語実況を担当したので直接小松選手のレースを見ることもできました。本当にパリでメダルを獲得するのを期待しています。プレッシャーをかけたいわけではないですけど(苦笑)。
小松:プレッシャーや緊張感が高まっているのも、それだけ「周りに期待して頂けるから」という部分もあります。そういうプレッシャーはアスリートにとって有難いことです(笑)。
――最後にこの記事を見ている方にメッセージをお願いします。
小松:これをきっかけにパラスポーツに興味を持って頂ければと思います。そしてもし良ければパラカヌーを見て頂き、そして小松沙季にちょっと期待して頂ければと思います(苦笑)。パリでは皆さんの期待に応えられるレースが出来る様に頑張ります。
<終わり>
小松沙季/コマツ サキ 高知県四万十市出身
小学2年からバレーボールを始める。
高校は2010春高バレーでベスト16の高知中央高等学校、2012年は全国さくらバレー選手権でベスト8キャプテン。
大阪学院大学卒業後、ブレス浜松入団。
2019年6月 体調を崩し入院、両足と左手に麻痺が残る。
2020年12月 パラスポーツの測定会に参加。
2021年3月 本格的なトレーニングを開始。パラカヌー海外派遣選手選考会にて2位入賞。
2021年5月 パラカヌーワールドカップ出場。女子ヴァーシングル(VL2)決勝にて5位。東京パラリンピックカヌー内定選手となる。
小松沙季オフィシャルWebサイト
小松沙季YouTube「TEAM SAKI」
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小松沙季 インスタグラム
取材・文/大楽 聡詞