――写真を撮ること自体が好きなんですね。
渞:仕事になっているから意識することが少ないけど好きです。写真は正解がないじゃないですか。いつも「もっと良く撮れるんじゃないか」と思っています。撮影したものが雑誌の表紙になっても、それが売れなければ自分のせいだと感じてしまいます。「この写真好きだな」と個人的に思っても評判が良くないとか…本当にいろいろありますよ。スポーツ選手も、良いパフォーマンスをしたからといって結果に繋がるわけでもないですから(苦笑)。
――ところで20年近く、広田さくら選手を撮り続けているのはどうしてですか?
渞:柳澤健(広田さくら公認ファンクラブ会長)の圧力です(笑)。冗談はさておき元々、柳澤がNumberで2002年に女子プロレス特集をした際、「広田さくらを載せたい」と言って一緒に撮影に行きました。その時の広田選手はサッカーワールドカップの選手をモチーフにした衣装で驚きました(笑)。
広田選手は周りから止められても自分が面白いと思ったら形にするタイプの人。自分が面白いと感じているものを素直に形にするのはなかなか難しい。僕も写真に対して「何が面白いの?何でこの写真が良いの?」と言われることがあります。でも自分が責任を持ってやれば、わがままで良いと思います。
大リーグで活躍中の大谷翔平選手は周りから何を言われようが二刀流を貫いたでしょう?僕の中では広田選手も全く同じタイプですね。彼女は「自分が良い」と思ったことに関して周りの意見は聞きません。これまでの常識の中で物事を考えていない。だから興味がある。というか、そういう人にしか興味が湧かないのかも知れませんね(苦笑)。
――常識にとらわれない発想が広田選手の魅力の一つなのですね。ところで10月10日 新木場、旧姓・広田さくら選手の自主興行の撮影プランはありますか?
渞:アシスタント含め4人で「旧姓・広田さくら」を撮りに行きます。どんな映像になるのか分からないし、どこで公開するかも考えていません。ただ「作りたい」だけです。それを広田選手が見て「面白い」と思ったらYouTubeとかで公開すればいいし、「つまらないね…」と思うかも知れない。でもやることが大切だと思います。