――柳澤さんのお話を聞いていると、男性レスラーだと武藤敬司選手みたいなタイプかな?と思いました。

柳澤:そうかも。たとえば武藤敬司が「シャイニング・ウィザード」っていう技を出すでしょ? あの技はプロレスが格闘技と違うことを証明している。相手が片膝を立てていないとできないから。4の字固めもそうだけど、武藤さんは「格闘技じゃなくて何が悪いの? プロレスは派手でおもしろければいいじゃん」と思ってるんです。

広田さんもGAEA JAPANの頃から「シャイニング・ウィザード」をやるんだけど、凄いのは「足が滑って自分の股間を打ちつけて悶絶」までやること。武藤敬司がシャイニング・ウィザードを失敗して股間打ち、なんて絶対あり得ないけど、広田さんは平然とやってしまう。天才・武藤敬司の先を行く超天才です。

――志村けんさんと同じですよね。コケなくて良い場所で上手くコケることが出来る…

柳澤:そうそう! 志村さんやドリフのコントは身体を使うコント。言葉に頼らず、身体の動きだけで笑わせる。だから、志村けんが好きな人は、広田さんのプロレスを見るといいと思いますよ。

――ところで今回雑誌「別冊きのとめぐ」が発売される9.12大阪10.10新木場で旧姓・広田さくら選手が自主興行を行いますが、どんな興行になりそうでしょうか?

柳澤:まず、大阪と東京で自主興行を立て続けにやれる、というところが凄い。自主興行はめちゃめちゃ手間がかかっているので。昨年は広田さんにとって初の大阪大会になるはずだったけど、ホントにギリギリのところでコロナで延期せざるを得なかったんです。

大阪は昨年のリベンジだから気合いが入ってるでしょうね。最初から最後まで「コミカルの嵐」なのは間違いない。

橋本千紘と朱崇花のアマレス対決がまともなものになるはずがないし、野崎渚vs小仲=ペールワンと言う異色のシングルも組まれている。「WAVEのチャンピオン=レジーナである野崎に幅を持たせよう。新しい野崎の一面を作ってあげよう」と言う気持ちが広田さんにあるんじゃないでしょうか。だからとにかく大阪に拉致してしまって、小仲=ペールワンはもちろん、乱丸やハイビスカスみぃ、くいしんぼう仮面や菊太郎たちに、やられたい放題やられてしっちゃかめっちゃかにされて「なんか楽しい〜」とコミカルの味をトコトン覚えさせたろかい!と言うことだと思うよ。野崎さんは美人だし、前回レジーナになってすごーくよくなったけど、伸びしろはまだまだ大きいから、コミカル方向に伸ばそうと。

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